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【読書記録】*おばあちゃんのあかね色*
こんばんは。今回読んだのは、楠章子さんの「おばあちゃんのあかね色」です。たまたま図書館で見かけて、なんとなく目に入ったので借りてみました。小学校の低学年からでも読める児童書です。
小学生の女の子杏の家に、遠く離れて一人で暮らしていたおばあちゃんが引っ越してくるところから物語は始まります。おしゃれが大好きで、明るくて元気なおばあちゃんが大好きな杏は、一緒に暮らせることになりワクワクしますが、実は認知症を患い、一人で生活できなくり一緒に暮らすことになったのです。ちょっと不安もありつつ、久しぶりに出会ってみると前と変わらず、おしゃれでニコニコと話しもできます。「なぁんだ、思ってたより悪くないかも」と思う杏でしたが、一緒に暮らしていくうちに、認知症ならではの行動や発言に振り回されてしまいます。「中身までは変わってないよ」とお父さんに言われ、おばあちゃんのために自分ができることを探し始め…。最後は家族みんなが笑顔になれる前向きなお話でした。
私も認知症の祖母がいるので「こんな頃あったなぁ」と思いながら読み進めました。発症してから15年が経つので色々なことに介護が必要ですが、付き合い方の根本は変わらない気がします。同じことを何度も言うし行動するし、おしゃれに気を遣うことも全くない。それでも歌が大好きで、今でも童謡や唱歌を歌ってくれます。だけど心に余裕がないと、つい、きつく当たってしまって後悔もします。この作品に登場する家族のように、温かい気持ちで接したい。頭では理解していても実際に接すると上手くいかないことの方が圧倒的に多いです。
特に心に残ったのは、作中お父さんの「病気で変わってしまっても、中身は大好きなおばあちゃんのままだよ」と言う言葉です。なんだかトゲトゲした自分の心にジーンと沁みました。
もう私の名前も顔も覚えていないおばあちゃん。それでも名前をいうと「〇〇ちゃんか〜」と笑顔になるので、「名前」そのものは記憶してくれてるようです。きっと祖母の中での私は、小学生くらいの姿なのかもしれません。そして、顔も名前も知らない(覚えていない)私にも、「ご飯食べよう」「一緒にお茶しよう」と声をかけてくれる根っからの優しさは、今でも変わってないんだと安心したりもします。
今回の記録は自分語りが多めになってしまいましたが、それも読書の醍醐味ですかね。自分に重ねて考えるのは、あるあるだと思っています。
積読がだいぶ増えてきたので、休み中にたくさん読めたらいいな。ここまで読んでくださりありがとうございます!みなさま素敵な読書タイムをお過ごしください!