空に成る/あとがき
お小説『春に成る』の中で、1・2を争う優しい人と言っても過言ではない、敬。
感情さえ封じ込めてしまっていた敬を、ちゃんと泣かせて、笑わせたいと思ってできた物語『空に成る』のあとがきです。
※小説は下記からどうぞ。
※noteで『空に成る』に♥をくださった方々のお名前を、記事の最後に掲載させていただきました。
漆黒の闇に包まれていた敬は、雨が降っているのか、傘を差しているのか、濡れているのか、それさえ分からない、分からなくていいと思っていました。
周りを見ずに、決めたゴールに向かってただ突っ走っていくだけの日々。
流果とハルが危機的状況に陥ったことで、瑛二が傍にいてくれたことで、ようやく足を止めて見ることができました。
目標を決めると、そこに向かうことに一生懸命になって、途中で本質を見失ったり、周りや自分の状況さえきちんと把握できなくなったりすることもあります。
過去を振り返ることも、未来を考えることも大切ですが、今を知って何をするかも大切だということを物語に込めました。自分では気づかないことも、周りが気づいて教えてくれることもある。時々は、足を止めて周りや自分自身を見ること、幸せを感じることが大切……それは、マスターが言っていたように「一服するのが大切」ということでもあり、ようやくそれが敬にも届いた感じがします。
空は刻々と変わっていたのに、塞いで見ないでいただけ。空をちゃんと見上げられるようになった敬は、自分自身も周りも見ながら進んでいけるような気がします。
菅田将暉さんの『さよならエレジー』を改めて聴いた時に、なんだか敬のイメージだなぁと思いました。あちこちで流れていた時も素敵な曲だなとは思っていたので、自分の物語とリンクさせるのがおこがましいのは重々承知ですが、物語を書けたことで、フワっと「素敵」と思っていたのが、グッと踏み込んで「素敵」と思えているような感じがしています。初めて聴く方も改めての方も、是非聴いていただきたいです。
色白で女性っぽい見た目の流果は、愛されないまま失い、それでも生きていく為に先を見て、人と関わってきたので、冷静で疑い深い部分を隠して笑ってきました。
色黒で男性っぽい見た目の敬は、愛し愛されていたけど失い、終わりを考え、人と関わることを避けて、感情的で情に厚い部分を隠して仏頂面でいました。
基本的に二人は真逆なことが多いですが、逆だからこそ補い合えたり、重なる部分が深く感じたりするのだと思います。ハルはその中間グレーな感じで、色白でも色黒でもなく見た目も普通。警戒心がないわけじゃないけど、結局人を信じます。良くも悪くも顔や態度に出やすいです。
三人になって、それぞれが大きく成長できるきっかけができ、ようやくスタートに立ったイメージです。
マスターの病気を知って敬が「影」に入り、ハルも敬ほどではないけど「影」が強くなった時、流果が「光」になってハルを照らして、ハルがその光を繋いで敬を照らしました。誰の中にも「光」も「影」もあるので、誰かが「影」になった時、残った二人が「光」、「中立」だったり「繋いでいく」立場になって支え合っていく三人なのだと思っています。
読んでくださった知り合いで、誰と誰がくっつくという話をしてくださった方がいましたが、ハルと敬、ハルと流果、敬と流果、全員独身のまま、それぞれ別のパートナーを見つける等……この先どうなるのかは、読んでくださった方が物語をつくっていただけたら嬉しいです。noteやXで♥をくださる方は、深く考えられる方が多いと感じていますし、何かをつくられている方も多いので、こう思う!と教えていただけたら喜びます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
『空に成る』に一度でも♥をくださった方々に感謝を込めて、お名前を掲載させていただきます。本当に励みになり、支えていただきました。ありがとうございます!
【Special❤Thanks】
風の歌のナウシカ様、佐藤省司様、コウ。。。様、デザイン思考と本質追究を楽しもう♫様、大純はる様、河原 真宙様、てつや様、NPO法人あおぞら様、上水春信様、Cir様、マッシュ様、退屈の壊し方様、ムッシュ不規則様、たかさば様、りょーん様、かのみスピリチュアルブログ様、りこひん様、マナリ様、”未来猫”様、ミック@アート好きのノート様、雪村正信(yukimura masanobu)様、Herdy B様、テルル Te様、非会員ユーザー様で♥を下さった方々、Xで♥を下さった方々、そしてあなた。
皆さんに読んでいただけて、♥をいただけて、幸せでした。
ありがとうございました!
※見出し画像は、500ml様の画像です。素敵な画像を使わせていただき、ありがとうございました。