
社会人5年目の壁
20代後半、社会人5年目くらいになって、伸び悩んでいると感じている方はいませんか?
また、先輩や上司として、なんか殻を突き破れないなと感じる後輩やメンバーを抱える方はいませんか?
どうすれば自分はもっと成長できるか?何か後輩やメンバーにアドバイスできないか?
そんな悩みを抱える方に読んでいただけると嬉しいです。
壁を乗り越えて成長する人
僕は100名近くの若手の成長にこれまで携わってきましたが、20代後半、5年目くらいになると、グッと成長する人と伸び悩んでしまう人には、それぞれ共通点があるように思います。
一言で言うとそれは、
「自分の常識を壊せるかどうか」
だと思います。
どういうことなのか、説明していきますね。
5年目の壁とは何か?
まず前提として、若手のうちの成長に繋がるものは、ざっくりまとめると、
経験量×内省の質
だと考えています。
詳しいことは、またどこかで記事にしようと思いますが、若手のうちは、とにかく経験を積むこと。またその経験からの学びを最大化することにあると考えています。
もちろん、目的思考とかロジカルシンキングのようなスキルやテクニックも重要ですし、資格や知識といった側面が大事なこともあるかと思います。ただ、それらも使いこなせなければ意味がなく、仕事の意味・意義を探して、全く経験を積めていないのは問題外です。
では、経験と内省による学びを増やしていけば、ずっと成長し続けられるか、というと、そうでもないと思っていて、それが5年目くらい、大体20代後半くらいに訪れるように思っています。
これが僕が考える5年目の壁です。
では、なぜ経験・学びを積み重ねるだけでは成長が伸び悩んでしまうのか?
それは、
過去の経験から、パターン化や未来の予測をすることに限界がある
ためです。
若手のうちは、ある程度正解や正攻法がある仕事がほとんどです。先輩の行動を観察してヒントを得たり、過去事例を調べたり、先輩に相談したり・・・そうしていると、ある程度の成果は残せます。
ですが、
・前例がないことを意思決定する
・成功への道筋が見えない中で突き進む
・自ら仲間を集めて物事を動かす
つまり、未来が見えない。正攻法がない。そんな状況の中を突き進むことになると、過去の経験から答えを導き出すことはできません。
5年目の壁を越えて成長する人は組織を引っ張るリーダーとして、上記のようなことが求められます。もちろん若くして、上記の観点を完璧にできるような人はなかなかいないと思いますが、できるかどうか分からないけど、任せてみたいと周囲に思わせることはできているでしょうか?
本人ができると思うかではなく、周囲にできそうとか任せたいと思ってもらえなければ、トライする機会すら訪れないのです。
言われたことしかできないわけではなく、自分なりに考えながら取り組んでくれている。報連相もきっちりしてくれるし安心感もある。ただ、上司の想像の範疇の仕事しか任せられない。
そんな便利屋さんになってしまっていませんか?
もしくは粛々と目の前のことをこなすだけの人になっていませんか?
いや、、、組織にとってこういう人材は非常に有難いし、それだけでも全然素晴らしいです。ただ、本人がそれで満足できているか?ということです。
本人はもっと成長したい。と思っていたり。
上司や先輩はもっと成長してほしい。と思っていたり。
だったら、その殻を破る必要があります。
では、どうするか?
個人的には3つの方法がおススメです。
5年目の壁の乗り越え方
まず、そもそも、5年目の壁にぶつかっていると感じる人はどういう状態なのか?ここからお伝えしたいと思います。
1.集中力が散漫になっている
5年目くらいになると、仕事の容量も覚えて、それなりに時間や気持ちに余裕が出てくる人も多いと思います。その時間を使って、何か社会活動を始めたり、副業をし始めたという方も多いかもしれません。
決して、これらの活動自体が悪いわけではなく、むしろ非常に良いことだと思いますが、目の前の仕事に集中しきれているか?
と感じることがあります。
修羅場体験が大事だ。なんて昔は言われましたが、それ自体が必要とは思いませんが、できることだけを繰り返していても成長しない。というのも事実だと思います。
できないことにトライすることは、それなりのエネルギーを使います。
目の前のことに集中しきれているか?
目の前の課題を解決するために全力で考えられているか?
手を抜いているわけではないものの、ここまでやればOKと自分でセーブをしてしまっていないでしょうか?コンフォートゾーン(安全領域)で仕事をしていては、殻は突き破れません。
2.できているつもりになっている
営業でいえば毎ターム達成している。
スタッフ職で言えば、様々な課題の納期は守っているし、社内の協働者からクレームを受けたことはない。
だから、自分の仕事はちゃんとできている。
否定はしませんが、それでは成長が止まってしまいます。
上記のような状態は、最低限の期待に応えているだけではないでしょうか?(もちろん、それだけでも非常に難しい職場もあると思いますが)
あなたが生み出すべき「成果」とは何か?
今生み出しているアウトプットは仕事の成功と言えるのか?
仕事のアタリマエ基準を自分でどこにおいているのか?によって、成長角度は大きく変わってしまいます。
3.ザ・優等生
上司からの指示されたことに対して、自分なりに考えながら仕事をする。
素晴らしいことです。
ですが、それって本当に意味で自律的に仕事をできているのでしょうか?
上司が間違えていたら、どうしますか?
間違えた上司が悪いから、自分は知らない?
まぁ、確かに上司が悪いですが、それが多くの人に迷惑をかけるような大損害になったら、言い訳にならないですよね。
何を言いたいかと言うと、上司に支持された範囲の中で仕事をしているだけでは、5年目の壁は乗り越えられない。ということです。若手のうちは、まずは上司の指示するアウトプットや成果を残せるようになることは、大事なことだと思いますけどね。殻を破るには、このモードを変える必要があるように思います。
何をすれば良いのか?
僕が考える打開策は、次の2つです。
自分なりに仕事のゴールを決めること
問いを自分で立てること
5年目の壁にぶつかっている方は、決められたゴールに向けて、プロセスを自分なりに組み立てる。ということは既にある程度できるようになった方。できるようになりかけている方だと思います。
次は、そのゴールを自分なりに決めることです。
そして、そのゴールに向けて、必要な論点や観点を自分なりに見極めたり、設定したりすることです。
仕事をしていると、「もっとこうしたら良いのにな~」と思うことありませんか?それも1つのヒントです。
・今の何が問題?どういう問題と捉える?
・何でその問題が起きている?どういう構造?
・その「こうしたら」で本当に解決する?どんな嬉しさがある?
・他に方法はない?それが最適?
・最終的にどういう利益・メリットがある?
と考えてみるのもいいかもしれません。
日常の疑問に向き合ってみる。
飲みの場で言っている愚痴を真剣に考えてみる。
個人的には、1つ上のレイヤーで考えること(※)がおススメです。
(※今、若手の立ち位置の方は中堅社員のレイヤー。中堅社員の方はリーダーのレイヤー。リーダー層の方は管理職のレイヤーなど)
ぜひ試してみてもらえると嬉しいです。
最後に上司の皆様へ
こういうメンバーを育成するのは大変です。会社としては、優秀な人材でしょうから、大事に育てたい。でもなかなか突き抜けないと感じていると、どこまで要望して良いものか、悩ましいですよね。
1つお伝えしておきたいのは、壁の乗り越え方でも少し触れましたが、個人差はありますが、世代の特徴としては飽きやすかったり、様々なことから良いとこどりをするのが優れた世代でもあります。
本人の視点から見ると、成長したいなら会社に勤めておくべき。とか、会社の仕事に集中すべき。なんてな考えはないのです。どこでも成長はできますからね。
ただ、会社からすると優秀な人材には留まってもらいたい・・・。
難しいですよね・・・。
これはもう一人一人の考えによるものなので、どうすれば良いか答えはありませんが、
・会社や組織はどのような機会を準備できるのか
・会社や組織、もしくは上司は本人にどんな期待をするか
・これまでの常識とかではなく、そのメンバーの視点で考えられるか
こういうことに尽きるのだと個人的には思います。
成長する若手が増えること。
その若手に関わることに悩む上司が減ること。
そんなことを願ってます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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