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戦隊ヒーローは人生のリアルヒーロー

わたしは子どものころいつも死にたがる子でした。

死にたがるというよりは、今ここにいるけど、この世界でやることは無いし、本当はどこか別の場所に自分の故郷があるから早くそこに帰りたい!というような気持ち。
寝る前に母親に、さようなら、もうこの世界には戻ってこないからねと言って眠るのですが、翌朝目が覚めてしまう。次の日、またもう帰ってこないよと言って眠るのですが、またまた目覚める。そんなことがずっと続いていました。現実の世界は楽しくないことばかりでつまんないし、何にもしたくないし、することもないし。

でもそんな私にも1つだけわくわくすることがありました。空想の世界に浸っているときです。ドラマやアニメの世界で架空の誰かになりきっているときだけは、なんだか楽しかったです。実生活より空想の世界のほうがリアルな人生に思えました。自分の子供時代の実際の思い出は、ほぼ何も覚えていませんが、何歳の時どんなドラマをみていたかはよく覚えています。
しかし、大人になってからも相変わらず人生はつまらなくて、生きてる意味あんのかなあ・・・かなりのアイデンティティクライシスを体験していた時、大好きな戦隊ヒーローがテレビの向こうから、「夢は夢のままでいいの?」といっているような声が聞こえました。(ほんとにそう
言っているようにきこえたのです)

そこでその戦隊ヒーローを演じている俳優さんにお手紙を書くことにしました。自分が何のために生きているかわからない、もっと人生を楽しくしたい!と本当の気持ちを書きました。
すると「僕も同じだったよ」という返事がきました。「同じ?俳優という凄い仕事をしているのに、生きている意味がわからなかったの?」と聞くと、「僕はもともとプロ野球選手になりたくて野球をやってたけど、怪我をして諦めたんだ。それから何をしたらいいかわからなくて、生きる意味もわからない時間がずっと続いたよ」「それでもこうして生きている以上何か挑戦してみようと思って俳優に挑戦したんだ」と言いました。手紙でいろいろなお話をしながらどんどん仲良くなり、今、その戦隊ヒーローの俳優さんは私の旦那さんです。

ある時、旦那さんが「そんなにドラマやアニメの作品の中で生きていたいんだったら、現実に挑戦したらいいじゃん」と言いました。「えー!!俳優さんになる人ってもともと生まれつきすごい才能を持っている人や、特別な人しかなれないんじゃないの?」と言いました。すると「僕だって生まれつきすごい才能もないし、特別な人間でもないよ。だけど挑戦したら戦隊ヒーローになれたよ。君だって僕に手紙を送るという挑戦をしたからこうして出会えたんだし」と言いました。そういえば、わたしは、毎日毎日つまんない、生きてる意味ないと不満ばかり言って何も自分から挑戦していなかったことに気づきました。本当に追い詰められて、初めて「手紙を書く」という
行動を起こしたのでした。自分には才能がないと思って何も挑戦していなかったのです。
旦那さんの言葉に背中をおされて、1歩踏み出そう!と決めたのです。それから俳優や声優のオーディションをたくさん受けました。
でも、受かりませんでした。ところが、わたしの心はとても晴れ晴れとして、何だか生まれて初めて自分の人生を生きている実感がありました。自分で決めて挑戦することで、結果がでなくても、こんなに充実感や満足感
があるのだと思いました。現実の結果は不合格でも、失敗でも、わたしの中では生まれて初めての成功体験でした。

その小さな成功体験は、わたしの今までの考え方や人生観をごっそりと変えました。何のために生きるのか?ではなく、生かされているという事実の中で、自分がやりたいと思ったことすべてに挑戦する。そういう考えに変わったのです。それから何度も何度も諦めずにオーディションに挑戦した結果,今、TV-CMや旅番組、ドキュメンタリ番組のナレーションのお仕事をさせてもらっています。まさに作品の中で生きるお仕事をさせてもらっています。お仕事をしていく中でたくさんの課題や大変なことはいっぱいありますが、今は生きているのがとっても楽しいです!
それでもまたその生活に慣れてくると、つまらないという思いが湧いてくることがあります。そんなとき、また可能性に挑戦しよう! と思い、今回こちらに応募いたしました。

才能があるか?ないか?できるか?できないか?ではなくて、やりたい!という心に湧き上がってきた小さな想いを自分で具現化していくこと。それこそが生きている意味であり、生かされていることへの感謝を示すことだと思いました。夢は見ているだけでなく、現実の世界でも自分で選択して、自ら行動することの大切さと勇気を教えてくれた旦那さんであり、戦隊ヒーローに、感謝しています!子どものころTVの中にいた戦隊ヒーローは、わたしの人生観を変えてくれた人生のリアルヒーローです。


#あの選択をしたから

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