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『アフォリズム 525の格言集』 書評 古今東西の言霊
格言集の類は世に多いもんで、古くはバルタザール・グラシアンやらゲーテやらのものがまとめられてある。読みやすさのせいで俺はときどき買って読むもんであります。なんとなれば言葉へのフェチが手軽に満たされる。気軽です。
ところがこの本は400ページ以上あるというもので、読みやすくてもボリューミーな感じでおなかいっぱい、格言の背景や人物などにも細かな注釈を入れつつガッツリ書かれてある。気合い入りですなぁ。これらの発言は、無名の誰かから俳優からコメディアンから作家から学者からと多様な人々から生まれたものであるらしい。いずれもキレとサエの結晶である。
章立ては人生についてやら何やらの14章。いくつか引用してみます。
・人生はお金と同じで使うもの。あなたはそれで何を買うつもり?
・人生の謎がわかった気がするんだーー慣れるまでうろうろしてればいいんだよ。
・社会はよく犯罪者を許す。しかし社会は決して夢見る者を許さない。
・成功の方程式はないが、失敗の方程式はある。それは全ての人を喜ばそうとすることだ。
・全ての子供は神がまだ人間に悲観していないというメッセージと共に生まれてくる。
これで5個なんで、あと520の格言がみっちり詰まっている。言霊、または言葉の力はもう世界中無数にあるということで勉強にもなるし、今後なんかあったとき読み返したら手助けしてくれるんだろうなと思う。いい本です。
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