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ダンス、ダンス、ダンス

嫌われる勇気 No45 キーネーシスとエネルゲイア

結局、今回も青年は、「そんな議論、話になりませんね!〜わたしがその鉄面皮をはがしてさしあげましょう!」と終わってしまう訳ですが…

鉄面皮:面(つら)の皮がまるで鉄でできているように、恥知らずで厚かましいこと。

人生とダンス

人生は、点を繋いでいくという話をNo44でしました。

この例えを、哲人が具体的に説明します。

あるバイオリニストを夢見た人がいたとして、青年は、“バイオリニストになること”が目標に到達することと考えます。

しかし、哲人は、その人は「人生のどの瞬間も“いま、ここ”を生きていたのではないでしょうか?」と言います。目の前の楽曲だけを見て、この一曲、この、一小節、この一音だけに集中する。その連続する刹那が連なっていく。

そして、その様子をダンスに例えます。

ダンス、ダンス、ダンス

「こう考えてください」と哲人は、今まで何度もやってきたように、青年を導きます。

「人生とは、いまこの瞬間をくるくるとダンスするように生きる、〜そしてふと周りを見渡したときにこんなところまで来ていたのかと気づかされる」

「ダンスを踊っているいま、ここが充実していれば、それでいいのです」そして…、「目的地は存在しないのです」

マジか?そうなのか?目的地は存在しない。いま、ここをひたすら生きる。いま、ここに存在する、ただそれだけ。

村上春樹の小説「ダンス、ダンス、ダンス」。大好きな小説。詳しくは覚えていないけど、とにかく主人公が、一歩踏み出すと新しい出来事が起こり、もう一歩踏み出すとまた別の出来事が起こる。そんなステップを踏んでいくと、いつの間にか物語が進んでいく…

そんな生き方に憧れました…

キーネーシスとエネルゲイア

納得しない青年に、哲人は、アリストテレスのある言説を引用します。それは、キーネーシスとエネルゲイア。

キーネーシス:始点から終点までの運動
エネルゲイア:過程そのものが結果とみなす事

もちろん、人生をダンスと見る生き方は、エネルゲイア的と言えます。

点と点、ただそれだけ。

スティーブ・ジョブズにも通じます。そうそう、ジョブズは、ある方針を打ち出しても、次の日には全く別の方針を打ち出して社員を困らせたそうです。まさに、エネルゲイア的人生を生き切ったのでしょう。

周りは関係ない。

そんな自分についてくるかどうかは、相手の課題だから…

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