前を向いて!!
幸せになる勇気 No17 魔法はない
われわれが語り合うべきことは、ここにはない。そう、表面に見えて気にしているうわっペリに語り合うべきことはないのです。
では、三角柱の見えない向こう面には何と書いてあるのか。「ええい、もったいぶらずに見せてください!」青年に同意です。
さぁ、声に出して言ってみましょう。
それは…
これからどうするか
言ってみて、どう思いましたか?
「えっ?そんなこと?」私は思いました。
でも、すぐに答えられますか?
哲人は、言います。
「“悪いあの人”とか“かわいそうなわたし”の話を聞き、わたしが“それはつらかったね”とか“あなたはなにも悪くないよ”と同調すれば、ひとときの癒やしは得られるでしょう」
これは、カウンセラー側にも大いに試される課題です。常に、そこには、カウンセラー側のエゴが内在します。これに自覚的であることは、本当に難しいです。
「でも、」哲人は、続けます。
「それで明日からの毎日がどう変わるのか?〜けっきょくそれは“依存”ではないか?…だからこそアドラー心理学では、“これからどうするか”を語り合うのです」
「まずは前提となる“これまで”を知っていただく必要がある」と主張する青年。つまり、三角柱の手前二面を知って欲しいと。
しかし、哲人は、はっきりと言います。
「いいえ。あなたはいま、わたしの目の前にいるのです。“目の前にいるあなた”を知れば十分ですし、原理的にわたしは“過去のあなた”など知りようがありません」
そう、過去など存在しないのだから。
アドラー心理学に魔法はない。
そこにあるのは、
人間への尊敬に基づく、人間知の心理学
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