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静と動

 本屋に行き読みたい本を買うという目的の為に本屋に入る場合、滞在時間は5分位なのだが、基本的に本屋にはフラと入ることが多い。特別欲しい本がある訳ではなくとも、背文字の並ぶ本棚をゆっくり時間をかけて眺めることがとても楽しい。平積みの表紙には情報過多な文言が多く(それを揶揄するつもりは毛頭ない)、「ごめんよ、今はいいんだ。こっちを見ないでくれすまないね、また」とやり過ごしひたすら背文字の並ぶ棚を目で泳ぐ。
ツアーや旅先で訪れる古くからその街で営んでいる古本屋を見つけると吸い込まれるように入っていく。店主の爺様がそこいら中に積まれた本に埋もれてしまっていて頭の先しか見えない。至る所に本が山積みになっているにも関わらず、どの本でも構わない一冊手にとってみると天と小口の部分に埃が溜まっていない、そんな古本屋が本当に好きだ。

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