ご機嫌に働く人がいる場所へ②
長年引き摺ってきた憂いに、3年前思い切って強めの薬治療を加えた。
2024年、今年春にはそれも終えられてようやく一つの時代が終わった、と思ったのも束の間だった。
諦めの悪い臓器が、またムクムクと復活を遂げ、先日またもや薬治療へと逆戻りとなった。
今まで通っていた病院が悪かった訳ではない。
女医のM先生はしっかり説明もしてくれるし、たまに見せる笑顔もホッコリさせてくれる部分はあった。
時間はかかったが、近頃は聞きたいことも気軽に聞けるようにもなっていた。
ただ、待合室の壁にある(クレームなど暴言があった場合は通報します)や(飴や飲み物なども飲食禁止です)という忠告の張り紙がなんか怖い。
働いてる方たちのいつも暗く沈んだ声。
入れにくい駐車場。
電車の車両のようなブース状の縦に一列に並んだ待合室の席なども、私にとっては今思えば少し居心地が悪かったのだと思う。
しかし、不思議なもので、通っていた時は「そんなものだ」と思っていて、行きたくないなーと強く感じるほどのことではなかった。
先日たまたまどうしても早く診察を受けたかった時に、そこのクリニックの予約が埋まっていた。
仕方なく、近所に出来た新しいクリニックへ一旦行くことにした。
受付で出迎えてくれた医療事務の方は、二人とも明らかに朗らかでご機嫌だった。
むしろ、病院の受付がこんなに楽しそうで良いのか?と思うくらいだった(笑)
私は自他の境界線が甘く、人の機嫌に振り回されるところがあるので、ご機嫌な人は無条件で好きだ。
少し不安を抱えてそこへ行っているのだが、なんだか一瞬で楽しくなった。
病院の造り自体は、特に変わったところがある訳ではないのに、何故か隠し事がないような、気持ちの良い開放感があった。
検査をしてくれた看護師さんもみなびっくりするくらい穏やかで、診察台に上がっても、血を取られても、なんだか遊んでいるような感覚になった。
病院へ行ってこんな気持ちになったのは初めてだった。
そこへ先生が登場だ。
マスクはしているものの、とてもお綺麗な方。
賢そうなんだが、柔らかくて、初めてなのに友人のように話しやすい。
ここが知りたい!というところを、何も言わなくても検査に入れてくれていたり、無駄に不安も煽らないし、必要以上に診察へ来いとも言わない。
ここに転院したい!とお会計の時には心は決まっていた。
少人数の職場は、リーダーになる人の性格で雰囲気が決まるように感じる。
スタッフを信じ、ある程度担当部分についてはお任せして、リーダーが責任は取るという仕組みになっている職場は、明るく感じが良い。
みんなが機嫌よく前向きに仕事が出来れば、いい空間が作れるし、いい仕事も出来る。
病院でも美容院でもカフェでもブティックでも、やはりポイントは【人】なのだと思う。
早く薬治療は終わっては欲しいが、何かあったらあそこへ行きたい、と心から思える病院があるのはホントに有難い。
近所の友人達にはオススメしたいが、混んで予約が取りにくくなるのだけは困るなぁ、、と、ただ今ジレンマである。