小津安二郎「浮草」観る
他社大映の小津映画
戦前「浮草物語」の再映画化で原案は小津
再映画化に当たり多少脚色変わってます
浮草のように町から町へ漂う旅芸人一座を
ファミリーと見立てた家族の崩壊と再生のドラマ
港町の座長顔なじみの母子家庭
冒頭の白い灯台とビール瓶好きです
他社作品で顔ぶれ変わり役者の個性が強く出てるよう
中村鴈治郎、京マチ子、若尾文子、川口浩
小津常連から杉村春子
5人が織りなす愛憎劇
大映だけに味付け濃い目で涙誘います
松竹小津映画よりは動的かと
土砂降りの雨、軒下で道挟み向かい合う鴈治郎と
京マチ子の罵り合い
列車中窓からの風に揺れる京マチ子の髪
若い二人のキスシーン有りの恋愛劇もある意味動的
小津映画でもイタリア女優のようなダイナミズム
失わない京マチ子
松竹小津作品でのユーモア完全に消してる杉村春子
狭い歩幅で小走りのように歩く鴈治郎
駅舎で黄昏る鴈治郎と京マチ子
煙草加える鴈治郎、火が無い。近付く京マチ子マッチ擦る
顔逸らす鴈治郎。火消えもう一本擦る京マチ子
煙草付ける鴈治郎
離れていた距離が言葉でなく一本の煙草で縮まる
名シーンであります
父が娘を嫁に出すというベースを変形ながら残すのは小津
他社小津作品、市川崑始めの大映映画担当してる
下河原友雄の美術素晴らしいです