
ジョイランドのオーナーの心に響く挨拶
GWに読み始めた一冊は図書館から借りてきたスティーヴン・キングの『ジョイランド』。まだ半分ほどですが、実におもしろい。『スタンド・バイ・ミー』を彷彿させるちょっと切ないミステリーです。
舞台は1973年のアメリカ、「ジョイランド」という遊園地がある海岸沿いの小さな町です。年老いた編集者が40年前の大学生だったときのことを綴るという設定です。この設定も『スタンド・バイ・ミー』に似ていますね。
ネタバレになるのでこれ以上は書きませんが、ジョイランドの93歳になるオーナーのブラッドリー・イースターブルックさんが夏の臨時職員を前に語る挨拶が何ともいいのです。こんな感じです。
若いみなさんは、これからおもしろく実りある人生を送ることでしょう。善い行ないをたくさんして、驚くべき経験をするでしょう。
それでも、ジョイランドで過ごした時間を、どんなときも特別なものとして振り返っていただきたい。
私たちは家具を売らない。車を売らない。土地も家も退職基金も売らない。政治的な目標など一切ない。
私たちが売るのは楽しみだ。そのことを片時も忘れずに。ご清聴ありがとう。では先を。
「楽しみを売る」・・・これは遊園地だからということではないなあ。すべての小売業や飲食業やサービス業にも通じることです。もっというと商売すべてがそうです。やっぱり楽しさが先に立たないとモノは売れませんね。