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継続的に購入していただくためには、モノではなく「習慣を売る」
仕事を始める前に行う4つのこと
仕事を始める前にやることが4つある。一つ目はアレクサでジャズを流す。二つ目は仕事場の掃除、トイレが担当だ。三つ目は紅茶とコーヒーの用意。コーヒーは飲まないが、ドリップで淹れるのはとても好きだ。
四つ目は「エステバン」を焚くことだ。エステバンとは何か?見た目は線香だが、フランス由来のストーリーを持つインセンスだ。仏事は線香で、香りを楽しむのは「インセンス」というらしい。
エステバンを製造販売しているのは「日本香堂」、1575 年設立、1942 年創業の老舗企業だ。国内の薫香市場の約 50%は日本香堂が占めている。あなたも線香の毎日香や青雲を知っているのではないだろうか。
エステバンを使い始めたきっかけは?
話は 20 年ほど前にさかのぼる。実はエステバンは取引先の展示会の来店プレゼント候補だった。東京・銀座4丁目に実店舗があり、いくつかサンプルとして購入した。提案するとすぐに決まり、かなりの数量の発注があった。
会社にはいろいろな匂いが漂っている。空気を入れ替えればいいだけだが、エステバンのサンプルが残っていることに気づいた。以来、毎朝エステバンを焚くようになった。
室内に1本、入口とトイレにそれぞれ2分の1本だ。香りが広がると気持ちが落ち着いてくる。コーヒーも紅茶も美味しい。かつて在籍していた社員が来社したときの一言は「いつもの香りですね」だった。
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新しい暮らしの習慣をつくることの意味
なくなるたびに購入してきた が、1ケース 40 本入りで1,200 円前後だから安くはない。お金の話は野暮だが、1日2本、1月に1ケースとして 20 年以上だから 30 万円は超えている。日本香堂から表彰されてもいいかも。
しかし、なぜこれほど長く使いつけているのだろうか。それはクエストリーではエステバンを焚くことが、仕事開始の習慣になったからだ。仏壇の線香も同様だが、日本香堂は商品ではなく、「習慣を売っている」のだと思う。
「ウチの商品では習慣化は難しい」という声が聞こえてきそうだ。しかし、簡単に諦めない方がいい。ミネラルウォーターやハイボールやファブリーズのように、新しい暮らしの習慣をつくればいいだけのことだ。
意味への共感が、継続的な購入へとつながる
国内消費は少子高齢化で徐々に縮小していく。新規を追いかけるのではなく、長く買い続けてくれる客を大事にした方がいい。長く使ってもらうには「使うことの意味」が必要だ。意味が継続的な消費につながっている。
売り手の多くは、購入者がどんな風に商品を使っているかを知らない。いや、知ろうとしない。人は習慣で生きている。想定していないような使い方を習慣にしているかもしれない。
ヘビーユーザーが習慣になっている理由を知ろう。固有ではなく「他の人にも起こりうる習慣なのか」を考え抜こう。習慣になれば、クエストリーのエステバンのように、短期ではなく、長期的に購入し続けてくれる。