ブランド価値がもたらす労働生産性の向上
労働生産性が高い会社は、一人当たりの稼ぎ高が大きい会社
「一人当たりの労働生産性」を考えたことがありますか?これは「社員一人当たりがどれだけの付加価値を生み出しているのか?」を表す指標です。労働生産性が高い会社は、「一人当たりの稼ぎ高が大きい」会社です。
労働生産性は「付加価値÷社員数」で算出します。付加価値額は売上高から他社へ支払う費用を差し引いた金額です。付加価値額が同じでも社員数に差があれば、社員数の少ない方が一人当たりの付加価値額は高くなります。
小売業やサービス業の場合は、売上高から「売上原価」を引いた「売上総利益」、一般的にいうところの「粗利益高」です。製造業の場合は、売上高から「材料費+外注加工費+工場人件費」を引いた「加工高」を指します。
中小企業の多くは労働生産性が低いのが現実です
業種ごとで異なりますが、中小企業の労働生産性は大手企業よりも低いのが現実です。労働生産性の向上にはどんな方法があるのでしょうか。対処療法としては「外注していたものの内製化」「従業員数の削減」などがあります。
しかし、安易な内製化は負担増となり、従業員の削減は働く意欲の減退につながります。他にも、「新設備による生産手段の増加」「技術革新による効率性の向上」「教育による人的な質の向上」などが向上策として挙げられます。
しかし、これらの実施にはまとまった資金が必要であり、中小企業は簡単には取り組めません。でも諦めないでください。対処療法や投資的な方法とは別に、労働生産性を高める手があります。それは「ブランディング」です。
特別な存在になることにより、労働生産性も高まります
ブランドとは「幸せの記憶のスタンプ」です。ブランドの本質は、名前を見聞きすると幸せな気分になることです。「ブランドになる」ことで、値引きをしなくても、あるいは他社よりも高くても買いたいと思ってもらえます。
しかも、ブランドのファンは継続的に利用し続けます。なぜならば、自分の生活にとって「なくてはならない存在」だからです。特別な存在になることで、原価は同じでも、付加価値が高まり、労働生産性も向上するのです。
「関さば」をご存知でしょうか。大分県漁業協同組合佐賀関支店に所属する漁師さんたちが、豊予海峡で釣り上げ、大分市の佐賀関に水揚げされる鯖のことです。「関あじ」とともに水産品の高級ブランドとして知られています。
ブランドは財務諸表には載らない大きな財産です
かつては一匹200円程度で売られていた時代がありましたが、いまでは「関サバ」の一匹当たりの価格は、何と2,000〜7,000円です。かつての数十倍の価格で売れる高級ブランドになり、付加価値も当然高くなりました。
しかし、いまでも「安くすれば売れる」「割安感を出さないと客は来ない」と思い込んでいる経営者が多いのです。結果的には、付加価値は上がらず、労働生産性は低下したままです。これはまさに負のループです。
短期的な成長だけを追いかけていると、ブランド価値は上がらず、成長は頭打ちになります。ブランドは財務諸表には載らない財産であり、長期的に大きなビジネス価値を生み出します。ブランディングに舵を切りましょう。
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