『小説』永遠に宇宙に~さよならは言わない~ 2章 第13話
ガチャッ
サラ「あれ?今日は虎次だけ?龍次は会社なの?」
虎次「あァ、1度顔を出してから来るって┄┄そろそろ来んじゃねェか?」
バタン┄スタスタスタスタ
サラ「コーヒーで良い?」
虎次「おゥ、ブラックで頼むわ、ニーナとティムはまだ寝てんのか?」
サラ「ニーナはコンビニに朝食を買いに、ティムはまだ夢の中」
虎次「アハハ、悪かったな?来るのが少し早かったみてェだ」
サラ「ううん大丈夫、はいコーヒー」
虎次「お?サンキュー」
サラ「ねェ虎次?正直に答えてよね?ママが話していたんだけど、龍次とニーナの間にあった事って何?」
虎次「ん?聞いたんじゃねェのか?」
サラ「何かあったってだけ、詳しくは知らない、ニーナの問題だからって」
虎次「まァな、知らねェんなら知らねェままでいてくれっと助かるんだが」
サラ「良くない話し?」
虎次「考え方に寄ってはな?若しかすっとニーナはアメリカに戻っちまうかもしんねェから」
サラ「そォなんだ┄ねェ、それを私が聞くと拙い?何か手助けが出来ないかなァって」
虎次「手助けかァ┄┄ニーナの記憶が戻んねェ事にはなァ、俺も龍次もどォする事も出来ねェから」
サラ「ニーナの記憶が関係してんだ┄悪い話しでは無いの?」
虎次「どォなんだろォな?内容は悪くはねェ、でも┄┄分かったよ、誰にも言うなよ?」
サラ「ティムにも?」
虎次「誰にもだ」
サラ「分かった」
虎次「今から話す事は事実だ、でも信じる信じねェはサラ次第だぞ?」
サラ「うん」
虎次「龍次とニーナは婚約してんだよ」
サラ「へ?婚約?」
虎次「でけェ声出すなって、ティムが起きちまうぞ?」
サラ「あ、ごめんなさい」
虎次「お互いの両親が決めた事なんだ、切っ掛けはニーナの発言なんだけどな?当時は3歳だ、大方シンデレラでも見てそォ思ったんだろォって誰もが考えてた」
サラ「違ってたの?」
虎次「龍次に毎日会わなければ落ち着きを無くし、癇癪を起こす┄私はドラゴと結婚するのに会えないのは可笑しいって、私は純白のドレスを着てドラゴに会いに行くってな?」
サラ「でも、それだけで」
虎次「日を追う事にエスカレートして行って、家に泊まる事も多くなった、俺は部屋を追い出され、8歳にもなって母ちゃんと寝るはめになったんだ」
サラ「あらら、それは可哀想に」
虎次「まぁニーナだから許せたんだけどな?それからジョディーさんが、腹を割ってニーナと話をしたらしくて」
サラ「結婚を認めたんだ」
虎次「そォ言う事、話し合いが終わってからはニーナは一切癇癪を起こす事が無くなった、泊まりも殆どな?」
サラ「3歳の子供だよね?┄┄そんな事って」
虎次「仕舞いには龍次の話しもしなくなったらしい、心配したジョディーさんが確認すると、ニーナは笑顔で確り答えてたみたいだ」
サラ「完全に信用して┄┄でも何でニーナはそんな大切な事」
虎次「サラは事故の所為って言ってたろ?」
サラ「うん」
虎次「でも俺達は違うと思っているんだ」
サラ「どォ言う事?」
虎次「別れ方が最悪だった┄ダニエルさんの仕事が予定より早く片付いてな?急遽アメリカに帰る事になったんだ」
サラ「龍次と会えなくなる┄そのショックで記憶を封じ込めたって事?」
虎次「ジョディーさんの手紙には、アメリカに戻ってからニーナは日本に笑顔を忘れてきたって、そんで1ヶ月後には言葉を話さなくなっちまったって書いてあった」
サラ「そこまで┄┄相当ショックだったんだ」
虎次「だろォな?やっと話し始めたのは、5歳の誕生日だってよ、突然ふらっと遊びに行っちまって、帰ってきたら別人の様に笑顔で話しまくったらしい、内容は確か外で会った友達の話しだったかな?」
サラ「それ┄私だ」
虎次「そっからは、ニーナの前では日本に関わる言葉禁句にして来たらしい」
サラ「そんな大切な事、ちゃんとニーナに話さないと」
虎次「言えるか?15年間1度として思い出さねェで生活して来たんだぞ?今回は別件で日本に来てんだ、記憶があんなら今頃純白のドレスを着てるって」
サラ「あァ┄┄そっか、そんなんで実は私はあなたの婚約者でした、なんて知ったら」
虎次「パニるのは当然、最悪は」
サラ「うん、ニーナなら絶対U.S.Aに戻っちゃう┄そォだね?記憶が戻るまではそっとしておいた方が良いか」
虎次「頼むぞ?」
ニーナ「何を頼むの?」
サラ「ニーナ!!」
ニーナ「何その慌て振り」
虎次「帰って来たか」
ニーナ「どォやら帰って来ちゃ拙かったみたいね?」
虎次「アハハ違ェって、旅行から帰って来たらティムにサプライズを用意してるから、黙っててくれって頼んでたんだよ」
ニーナ「サプライズ?」
虎次「忘れたか?ティムのゲームの話しだ」
ニーナ「あァ~成る程、それはサプライズだわ」
虎次「だろ?だからニーナも」
ニーナ「OK、黙っとく┄┄今日は1人なの?」
虎次「ん?あァ、俺1人で来た」
ニーナ「そォ┄┄今日は会えないんだ」
サラ(へ?┄┄会えないってニーナ若しかして)
虎次「安心しろ、そろそろ来る頃だぞ?一旦会社に寄ってから┄それにしても遅ェなァ」
ニーナ「来てくれるの!!」
サラ(ヤッパ┄記憶を失ってても、感覚的に覚えているんじゃ┄それとも)
ニーナ「サラはサンドイッチで良いんだよね?」
サラ「うん、サンキュー」
ニーナ「タイガは?」
虎次「俺は食って来た」
キィ~~バタン
ティム「morningサラ、ニーナ┄┄トラジ?」
虎次「ハハハおはよォティム、随分ゆっくりじゃねェか」
ティム「ヨルノマチトテモキレイデシタ」
虎次「成る程、星空は見えねェけど、ネオンは最高だからな?」
ニーナ「ティムはsandwich?raisubo-ru?」
ティム「ニーナ、ソレハオニギリダヨ?」
ニーナ「知ってるわよ!!で?どっちにするの?」
ティム「オニギリデイイ」
ピンポ~~ン
虎次「お?やっと来たか」
サラ「みたいね?ニー┄わ!!」
ダダダダダガチャ、ハグッ!!ギュゥッ
龍次「おっと、ハハハおはよニーナ、どォしたんだい?」
ニーナ「会いたかった┄会えないかと思ってたから」
サラ「あらら┄何あれ」
虎次「どォしちまったんだ?急に」
サラ「恋する乙女よ?」
虎次「何だ?そりゃ」
サラ「記憶も戻ってないのに、龍次に恋しちゃったって事」
虎次「ん~~それはそれで良かったのか?」
サラ「良いんじゃない?それよりその大きな荷物何?」
龍次「あァ、君達の為にと思って持って来たんだよ┄ニーナ?ちょっと離れてくれるかい?これを中に入れたいんだよ」
ニーナ「嫌」
龍次「アハハ困ったなァ」
虎次「俺がやる、ティム手伝ってくれ」
ティム「OK」
虎次「で?あったのか?」
龍次「まァね?足りない物はドンキで買って来た」
虎次「それで遅かったのか」
龍次「ニーナ?中に入ろォか」
ニーナ「ドラゴ?」
龍次「何だい?」
ニーナ「これから遅れる時は先に知らせて欲しい」
龍次「そォだね?御免よ?虎次に任せたから良いと思ってしまった、これからはニーナに連絡するから」
ニーナ「うん、ありがとォ、ねェコーヒー飲む?」
龍次「そォだね?じゃァブラックでお願いするかな?」
ニーナ「直ぐ入れる」
ダダダダダ
サラ「ハア┄恋に嵌ったニーナって、結構面倒臭いのね?」
龍次「そんな事はないさ、さァ入ろォか」
サラ「何を持って来たの?」
龍次「見てご覧?」
サラ「ん?┄あ!!パソコンだ」
虎次「デスクトップとノートパソコン、プリンターが2台か」
ニーナ「何で?どォしてドラゴは」
ダダダハグッ、ギュゥ
龍次「アハハまたかい?今日はどォしたんだい?」
ニーナ「ドラゴは┄私が欲しいと思った物は、何も言わなくても分かってくれている」
サラ(まァ将来の旦那様だからねェ)
ピピピピピ
虎次「龍次、電話だぞ?」
龍次「すまない虎次が出てくれ」
虎次「良いのか?」
龍次「それはプライベートの方だから」
虎次「分かった┄┄あ┄まァ良いか」
スツ、タッ
虎次「おゥ、俺だ」
※トラジ?※
虎次「あァ、龍次は今手が離せねェ」
※ベツニトラジデモイイネ?イマロントイルヨ※
虎次「だと思った、龍次、孔(こう)と龍(ロン)からだ」
※フタリノトモダチキタノカ?※
虎次「あァ~そォ言う事か、待ってろ┄孔と龍が3人に会わせろって」
龍次「そォ来たか」
ニーナ「ドラゴの友人?」
龍次「まァね?」
ニーナ「私会っても良いよ?」
サラ「ちょっと、私とティムの意見は無視なの?」
ティム「ワタシハOKヨ?アッテミタイデス」
サラ「じゃァ私もOKするしか無いわね?」
虎次「何か予定でもあったのかい?」
サラ「あ、ううん?私抜きで話しが進んでたから、ちょっと言ってみただけ」
龍次「ありがとォ、それじゃ少しだけ会ってくれよ、虎次」
虎次「聞こえたか?俺達も予定があるから少しだけな?」
※ワカタヨ、イマサンチャネ?ドコニスル?※
虎次「今三茶だってよ?どこにする?」
龍次「そォだなァ┄┄恵比寿のガーデンで良いんじゃないか?」
虎次「だ、そォだ」
※ワカタ、マックデマテル※
龍次「お?いたいた、何だ凰華(おうか)と葵(あおい)も来てたのか」
凰華「お兄ちゃんに連絡したら、ドラゴのフィアンセが来るって言うから」
龍次「あァ、でも悪いんだがその事は内緒にしていてくれないか?」
葵「何で内緒なのよ」
凰華「まァまァ、ドラゴが言うんだからさ、ね?葵ちゃん」
葵「えェ~、私口滑らすかもよ?」
龍次「頼むよ、彼女は今その記憶を失っているんだ、だから自身で思い出すまではそっとしておきたいんだよ」
葵「そォ言う事なら仕方ないか」
凰華「フフフ、葵ちゃんの目的はタイガだもんねェ」
葵「そォよ?ねェドラゴォ、ちょっとは協力してよォ、何回も告ってんのに1回も頷いてくんないんだよ?」
龍次「アハハ、そォ言えばそォだったね?所で何回振られたんだい?」
孔「50カイネ?」
葵「違うわよ!!まだ49回だから!!」
孔「キョウヲイレテ50カイ」
葵「何でもォ振られる計算になってんのよ!!孔の馬鹿!!」
龍次「虎時は気付いているよ?薫(かおる)と両天秤に掛けている事を」
葵「う!!┄だァってェ~」
凰華「私何度も言ったじゃん、タイガは中途半端は1番嫌がるって」
葵「そォだけどさァ」
虎次「いやァ混んでたわ、ほれ龍次」
龍次「サンキュー」
虎次「凰華も来てたんだな?」
凰華「うん、ごめんね?タイガ」
虎次「いや助かるわ、何せ孔は日本語下手くそだし、龍は全然だろ?凰華が通訳してくんねェと話し進まねェからさ」
葵「あのォ~モシモシ?タイガさァ~ん、私も来てますよォ~、見えてるよねェ~」
虎次「んじゃ時間ねェからさっさと紹介すんな?まずコイツは龍、21で俺の2こ下だ、まだ日本に2年しか居ねェから日本語は全く話せねェ、んでコイツは孔、龍と同じ21日本語は聞き取りは出来るが会話は下手くそ、どこまで手を伸ばしているか分かんねェけど、闇の売人やってる」
龍次「なァ孔よ、そろそろ凰華の事も考えて、足を洗ったらどォだ?」
孔「ドラゴ、ソレムリワカテイテルカ?」
龍次「孔に何かあったら凰華はどォするんだい?身内は兄の君だけなんだよ?」
孔「ワカテルヨ、デモモウヒケナイ、ソレニコレハオオカノタメ」
虎次「ってな具合で俺達が何言ったって聞きゃァしない、筋金入りの頑固者だ」
サラ「お兄さん?」
虎次「あァ、コイツのな?名前は凰華、歳はァ┄┄」
凰華「16」
虎次「もォそんなになったか、凰華 は博学でな?母国語に日本語、それに英語も話せる、だから凰華にいつも孔の通訳を頼んでる」
凰華「凰華です、これから宜しくお願いします、あ!!英語の方が良かったですか?」
サラ「いえいえ、日本語で大丈夫ですよ?」
凰華「サラさんの方が年上なんですから、敬語で話さなくて良いですから」
サラ「私の名前」
凰華「えェ、ドラゴから聞いていましたから、ティムさんに┄┄凄くお綺麗ですね?ニーナさん」
ニーナ「私の事はニーナで良いわ?それで?凰華はドラコとはただの友達なのよね?」
サラ「ちょっとニーナってば!!」
凰華「違うわよ?私とドラゴはそんな浅い付き合いじゃないわ?私達はファミリー同様の信頼のある付き合いをしている、それと勘違いしているみたいだから言って置くけど、私の彼は龍だから安心して?」
ニーナ「そォ、分かったわ?宜しく凰華」
龍次「何の話をしていたんだい?英語は良く分からなくて」
サラ「あァ┄┄まァ女同士の話しって事で」
虎次「今凰華が言ったけど、こっちがニーナ、サラそんで従兄弟のティムだ、以上お終い!!」
葵「ちょっと!!まだ紹介されて無いんですけど!!」
虎次「あ?龍次何か言ったか?」
葵「嘘!!パーフェクトスルーじゃん!!」
龍次「全く┄紹介してあげなって」
虎次「面倒臭ェなァ┄┄葵だ、以上」
葵「えェ~それだけ?もっと良い所話してよ」
虎次「煩ェなァ┄大体何でお前がここに居んだよ!!仕事はどォした仕事は」
葵「だって┄中森(なかもり)さんが仕事入れてくれないんだもん」
虎次「ったく┄薫のヤツ何やってんだよ」
葵「そォでしょ?タイガからも言ってよ!!中森さんったらナンパばっかしてて、私の事放ったらかしなんだよ?仕事が入んないから毎日暇してんだよ?」
虎次「お前」
葵「だってそォでしょ?仕事に専念したいから学校だって辞めたんだよ?先月も今月も1本も仕事入ってないし、来月だってまだ空白だもんマネージャーになってるのにこれって最低だと思わない?中森さんは私の事なんて」
虎次「それ以上薫の事悪く言うんじゃねェ!!」
葵「何でよタイガ!!」
龍次「葵が腐りたくなる気持ちは分からなくもない、だが葵だけは薫の事を悪く言っては駄目だ」
葵「だってさァ!!」
龍次「本来薫の仕事はスカウト専門だ、マネージャー業では無い、それなのに葵が社長に薫がマネージャーでなければ、薫の取ってきた仕事でなければやらないと、そォ言ったんだよな?その事で薫は本当に悩んでいたぞ?」
葵「でも┄まさかここまで仕事が入らないなんて思ってなかったんだもん┄このままじゃ私クビになっちゃう┄そォしたらどォすれば良いの?」
虎次「そん時ァ龍次ん所に拾って貰え、お前クラスなら結構指名貰えんだろ?」
葵「私は読モをやりたいの!!」
虎次「今のままじゃクビになんだろ?」
葵「┄┄分かったわよ!!クビになったらドラゴの所に行けば良いんでしょ!!」
虎次「ったくコイツは┄何も分かっちゃいねェ」
龍次「良いよ虎次、葵?俺の所に来るのは構わない、ちゃんと面倒は見るよ、だけど誼(よしみ)だからと言って特別扱いは一切しない、勘違いをするなよ?現場で仕事をするのは葵なんだ、仕事を増やすのもアピールするのも本人次第、俺はその切っ掛けを与えてやるたけに過ぎない、その事は決して忘れるなよ?」
葵「┄┄┄┄┄┄」
龍次「稼ぎたければ身を削れ、頭を使え、学力なんて全く必要ない、やれる事を我武者羅にやっていれば┄┄すまない、少し言い過ぎた、でもこれは今の葵にも言える事なんじゃないか?泣き言や愚痴は幾らでも聞いてあげるよ、仲間だもんな?」
虎次「こんだけ言われたんだ、少しは考えれたんだろ?」
葵「うん、薫さんに謝って社長に頭下げる」
虎次「そっか、頑張れよ?薫」
葵「ありがとうタイガ、ドラゴもごめん」
龍次「龍の如しだ」