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『小説』永遠に宇宙に~さよならは言わない~ 2章 第 5話

菜智「さァ、座って?」
ガガッ、トスッ
ニーナ「手紙は見た?」
菜智「えェ、読ませて貰ったわ?」
ニーナ「因みにサラも読んでるから」
菜智「そォ┄┄┄」
ニーナ「それで?どんな言い訳を用意してるのかしら?」
菜智「そォね?今は何を言っても信用して貰えそォもないから」
カサカサッ┄スッ
菜智「先ずはこれを呼んでみてくれる?」
ニーナ「二通とも?」
菜智「えェ、先にこっちから」
カサカサカサ、ペラッ

―――どォ?蘭からは手紙来てる?私の所には届いているわよ?
それでなんだけど、親友のアナタだから頼みたい事があるの、でもこの事は誰にも話さないで、アナタの胸の中にだけしまって置いてね?
先週病院に行って検査結果を聞いて来たわ、残念だけど私は私達の夢を一緒に見る事は出来ないみたい
以て後3ヶ月、それが私の残された命
勝手な相談だけれど、アナタにダニエルとニーナの事を頼みたいの
菜智なら必ずダニエルと幸せになれるから、ダニエルもアナタを受け入れてくれる、何故だか分からないけど私にはそれが分かるのよ
後はニーナね?上手くアドバイスが出来ないけど、あの子は優しい子だからきっとアナタの気持ちは分かってくれる、だから2人の事をお願いね?
私達の夢を実現してね?天国から応援してるから
若しニーナと上手く行かなそォだったら、この手紙を見せてね?
悪いのは私、アナタは仕方なくって事が分かってくれる筈だから
夢半ばで先に逝く事を許してね?
菜智、蘭、麗美、愛、雅美皆大好き
                                ジョディー

カサカサッ
ニーナ「┄┄┄ママ」
菜智「その手紙の続きが届く事は無かった┄ジョディーはその手紙を私に送った3日後に息を引き取ったから」
ニーナ「菜智┄どォして」
菜智「それはもォ1枚の手紙を呼んでからにして?」
ニーナ「分かった」
カサカサカサ、ペラッ

―――久し振り、色々言いたい事が沢山あるわ?
先ずはアメリカに行ってたのは知ってた、でもジョディーと同じフロリダに居るんだったら何で知らせてくれないのよ!!
こっちではアナタ達の話題が尽きないわ?皆心配してる、特にアナタの事は麗美が1番にね?
ジョディーの手紙で知ったわ?2人の夢、叶うと良いね?幼馴染の私を差し置いてジョディーと息が合うだなんて妬いちゃうぞ?
何で私には娘が産まれなかったのかなァ、私だけよ?皆ちゃんと娘が産まれて自分と同じ道を歩かせ様としてるのに、ホント頭来ちゃう
それでね?麗美がそっちで華が咲かなかったらこっちに連れて来なさいって、皆で全力でフォローするからってさ、勿論私も協力するわよ?
まあ麗美1人で十分なんだけどさ、そこはね?
話しは変わるけど、こっちには戻って来ないの?色々大変だったね?
まさか私達も彼がそんな酷い人だとは思ってもみなかった、パーティーの時は凄く紳士的に見えたから
だから私は何も言わずに応援したんだけどさ
何時でもいいからね?小父さんも小母さんも心配してた、1回位顔見せに戻って来たら?
アナタの性格じゃ戻って来ないのは分かっているけどさ、とにかく私達はもォ若くないのよ?いつまでも意地張っててもでしょ?
母親なんだから、娘の幸せをちゃんと考えなさいよ?
何かあったら必ず連絡して!!私達の間に遠慮は無し、でしょ?
返事待ってる、身体に気を付けてね?
                                          蘭

カサカサカサ┄パサッ
菜智「それじゃァ、先ずはアナタの誤解を解かなければね?でないとこの先の話しに支障が出てしまうから」
ニーナ「私が誤解してる?」
菜智「良いから、あのね?私はアナタの事は産まれた時から知っていた、まァ手紙を読んだからそこは理解出来てるわよね?」
ニーナ「えェ、でも私はアナタの事は」
菜智「聞いて?アナタは何度も私の家に来ていた、元夫の料理を凄く美味しいと満面の笑みを浮かべながら食べていた」
ニーナ「そんな┄┄私何も」
菜智「気付いてた、記憶が無い事は┄恐らくあの事故の所為で、一部分だけ記憶を失ったんだと思う」
ニーナ「あの時の事故が」
菜智「多分よ?私は医者じゃ無いんだから
ニーナ「うん」
菜智「それとね?ダニエルとの事なんだけど、実はBARで会うまでは1度も会った事が無いのよ」
ニーナ「え!!ってかBARで会ったんだ」
菜智「うん、そォ思うわよね?でも事実、ダニエルは日本に居た時からずっと忙しかったから、話しには聞いていたけれと、会うことは無かったの、それにジョディーは写真を持ち歩く人じゃ無いでしょ?」
ニーナ「あ┄┄そォだった、ママったら写真に関わるのは仕事の時だけで十分だって」
菜智「そ、変な拘りがあったでしょ?結局私達皆で最後だからって撮った写真でさえ、受け取らなかったのよ?彼女は仕事以外で写真を撮られる事を極端に嫌ってたからさ」
ニーナ「何か御免なさい」
菜智「フフフ、それでね?元夫とやっと別れる事が出来たのは良いんだけど、アメリカでサラを抱えてでしょ?色々と気が滅入ってたから、たまにはBARでって1人で飲んでいた所、ダニエルに声を掛けられたのが始まり」
ニーナ「ハア┄┄パパからナンパしたのか」
菜智「ウフフまァそォなるかな?多分相当負のオーラを出してたんだと思う、その時のダニエルの話がジョディーとアナタの事だったから、名前は出して来なかったけどね?妻を病で亡くし、子供と2人で生活しているって」
ニーナ「私達をナンパの出汁にするなんて」
菜智「もォ、そォ言わないで?人は辛い時は誰かに話を聞いて貰いたくなるものなのよ?」
ニーナ「まァ┄┄┄分かった」
菜智「フフフ、ありがと┄何かお互いの寂しさを解りあっていたら、私の方がダニエルに夢中になっちゃってさ、それからはお互いの時間が合えば、カフェに行ったり食事をしたりね?」
ニーナ「本当にお互い知らなかったったんだ」
菜智「えェ、若し知っていたら私はダニエルには二度と会わなかった」
ニーナ「どォして」
菜智「分からない?親友が愛した人よ?それこそアナタが初めに抱いた誤解が事実になってしまう」
ニーナ「そっか」
菜智「そしてアナタ達の事実を知ったのは、あの夏の日」
ニーナ「私の事故」
菜智「そォ、あの日はね?本当にたまたまなんだけど、いつも行っているカフェって気分じゃなかったのよ、それで散歩がてら少し遠出をしていたら、突然私の目の前で1人の少女が車に跳ねられた」
ニーナ「それが私」
菜智「車に乗っていた人は走り去ってしまった、私は急いで駆け寄って少女を見た時、全身の血が引いていくのを感じた」
ニーナ「そんなに酷かったの?」
菜智「酷いなんてものじゃなかったわ?即死していると誰もが思う位に┄大量の血を流していて」
ニーナ「大量の┄┄」
菜智「急いで911に連絡してわ?でも中々車が来なくて┄やっとアナタを車に乗せた後も腰が抜けちゃってて、直ぐに立つ事は出来ない位ショックを受けてたの」
ニーナ「じゃァその場に菜智が居なかったら私は┄死んでた」
菜智「かもしれない┄やっと立てる様になった時にね?頭の中にジョディーが話し掛けて来たのよ」
ニーナ「ママが?」
菜智「信じられわよね?でも確かにジョディーの声だった、急いで病院に向かってニーナを助けてって」
ニーナ「ママが┄┄でも私は信じる」
菜智「ありがと、ねェニーナ?自分の血液型は分かってる?」
ニーナ「うん、この前初めて知った」
菜智「そォ、私もね?アナタ達と同じRHnull型なのよ、昔ジョディーとその話しをしたのを思い出してね?ジョディーはこの事を言ってるんだって、急いで病院に向かったわ」
ニーナ「だから私は助かったのか」
菜智「それだけじゃないと思うけど┄手術は8時間も掛かった、血が足りなかったからギリギリまで抜いて貰って┄無事に終わったって聞いた時には沢山泣いたわ?」
ニーナ「菜智」
菜智「ドクターが私の所に来てね?事故から手術まで数時間、血液のストックが無いのに突然現れた提供者、そして8時間にも耐えきった生命力、長くドクターをやっているが、こんな絶望から生還出来た人は初めてだって、アナタは神に生かされているって言ってたわ」
ニーナ「私が神に生かされる┄┄」
菜智「アナタの無事を聞かされた後、直ぐに向かったの、その時に初めてダニエルがアナタの父親だって知ったわ」
菜智「直ぐに動いて平気だったの?」
菜智「じっとなんかしてられなかった┄それでね?ダニエルの落ち込む姿、苦しむその背中を見て、やっと決心したの、ジョディーの意思を受け継がなければって」
ニーナ「でもそれって」
菜智「誤解しないでね?ちゃんとその中には愛情はあるから」
ニーナ「うん」
菜智「色々不思議な事も話したけど、信用して貰えたかな?」
ニーナ「信じるしか無いじゃない┄きっと私達を引き合わせたのってママだから」
菜智「そォね?ダニエルの事もきっとジョディーの仕業だと思ってる」
ニーナ「うん」
菜智「さて、私の誤解が解けたから問題解決、じゃァ今度はアナタの番よ?」
ニーナ「私の?」
菜智「気付かないとでも思ってるの?これでも血を分けた母親なんだぞ?┄日本に行きたいんでしょ?」
ニーナ「え?」
菜智「旅行じゃない事は分かってる、だからちゃんと納得の行く話しをしてよね?」
ニーナ「┄┄もォ!!サラったらァ」
菜智「あら?あの子もこの事を知ってたの?」
ニーナ「え?」
菜智「言ったでしょ?私達は、文字通り血を分けた親子なのよ?誤魔化しは一切無し、求めているのは納得の行く答えだけ、さァ説明して?」
ニーナ「┄┄菜智には隠し事は出来そォに無いわね?分かったわ?全部話す┄あのね?私達はママと菜智の夢を叶える為に」
菜智「ちょっと待って?若しかしてサラも一緒なの?」
ニーナ「あ、まァ┄┄ハハハそこは気付いてなかったのか、そォなの私が誘ったんだけどね?元々私はママと同じモデルをしてみたいとは思っていたのよ」
菜智「あァ┄┄それであの手紙がアナタの冒険心に火を灯したって事か、でも何で日本でなの?アメリカでだって良いじゃない」
ニーナ「それも考えた、ママの初めはアメリカでだったから、でもママが高みを見たのは日本ででしょ?」
菜智「全く┄┄その意味の分からない頑固な所はジョディーそっくりなんだから、ハア┄┄蛙の子は蛙って事ね?分かったわ?但し条件がある」
ニーナ「条件┄┄」
菜智「何よ、その説明だけで私が素直にOKするとでも思ってたの?」
ニーナ「まァ」
菜智「呆れた┄それじゃァ1つ目ね?」
ニーナ「え?何個もあるの?」
菜智「別に今直ぐ反対しても良いんだけど?」
ニーナ「わ、分かった┄何?」
菜智「1つ目は、確りと高校を出る事、落第した人は行かせない」
ニーナ「それは平気よ?」
菜智「あらそォ?アナタに問題が無いのは分かっているけど、サラはどォかしらね?あの子の成績はとォっても素晴らしいわよ?無事に一緒に行けると良いんだけど?」
ニーナ「そ、そんなに?」
菜智「えェ、そんなに┄それと2つ目が、アナタは行くまでに日本語を完璧にmasterしなさい、出来なければ行かせられない、良い事?言葉の壁はアナタが思っているより深刻なのよ?特に仕事でとなると話せないのは致命的」
ニーナ「う!!ヤッパそォなんだ┄サラにも同じ様な事言われた」
菜智「どォせあの子の事だから、アナタの通訳にはならないとか言われたんじゃない?」
ニーナ「正解」
菜智「ま、そォ言う事だから頑張りなさいね?」
ニーナ「う~~┄┄大変そォだなァ」

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