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『小説』永遠に宇宙に~さよならは言わない~ 2章 第 8話

スティーブン「それじゃァ部屋の飾り付けは君達女性陣に任せるぞ?ティム!!買い物に行くから一緒に来い!!」
ティム「何でダニエルと菜智さんに頼まなかったんだよ」
スティーブン「2人が買いに行った所には売って無いからだ、文句言ってないで早く来い」
ソフィア「近くのスーパーに行くのなら私も行くよ?」
スティーブン「外は寒いから、母さんは家にいた方が良い」
ティム「婆ちゃん、言ってくれれば俺が買って来るぞ?」
ソフィア「そォかい、なら料理で使う香辛料を幾つか頼みたいんだがねェ」
ティム「あ~~なァ親父?」
スティーブン「そ、そォだな?ヤッパ母さんも一緒に行くか」
ニーナ「全く、2人共食べるだけが専門にしないで、少しは料理の手伝い位出来る様になってよね?調味料も分からないなんて困ったものだわ」
サラ「う!!┄┄ニーナそれは少し辛口だよ」
ニーナ「そォ言えば、ここにも食べるだけ専門の人が居たわね?」
ソフィア「フフフお前達はニーナには頭が上がらないねェ」
スティーブン「全くだ、アリシアが逝ってからはずっと母さんとニーナに世話になってばかりだからな?」
ニーナ「仕方ないでしょ?スティーブンもティムも全く料理が出来ないんだから、それに放って置いたらインスタントばっかりじゃない」
ティム「そォ言えばニーナが家の飯まで作ってくれる様になったのってあの時からだったな?」
サラ「どの時?」
ティム「母さんが死んじまってから3ヶ月位だったか?」
スティーブン「あァ、料理が出来ないもんでな?たまたまアジアショップに顔を出した時にな?日本のインスタントヌードルってのを見つけて、これが何とお湯を入れるだけでヌードルが出来るじゃないか」
サラ「あァ┄┄それで横着してずっとカップラーメンにしてたんだ」
ティム「まァな?それにしてもあの時のニーナの1発はヤバかったな?」
スティーブン「あァ、殺されるかと思ったよ」
ニーナ「当然でしょ?成長期のそれもスポーツをやっている子供が居るって言うのに、あんなものだけで楽しているんだから、栄養も何もあったものじゃないわよ」
ソフィア「ほらほら、早く行かないとダニエル達が帰って来ちゃうよ?」
スティーブン「そォだった、じゃァ2人共留守を頼むな?」
サラ「任せといて?今までに無い最高の飾り付けをしてあげる」
ティム「期待してるよサラ、んじゃァ行くか」
サラ「あ!!ティム!!若し日本のスナック菓子があったら買って来てね?」
ティム「分かった」
スタスタスタバタン
ティム「なァ親父?何で2人に本当の事話さなかったんだ?」
スティーブン「馬鹿だなァお前は、今日はXmasだぞ?Santa Clausは夜にならないと現れないんだ」
ティム「そォ言う事か、ハハハ2人共喜ぶだろォなァ」
ソフィア「楽しいXmasになりそォだねェ」

サラ「ねェニーナ?」
ニーナ「ん?あァ、それはもう少し右の方が良いんじゃない?」
サラ「分かった┄┄あのね?私昨日不思議な夢を見たのよ」
ニーナ「夢?┄┄不思議って、どんなの?」
サラ「空を飛んでた┄┄どこまでも続く大草原、風を感じながら優雅に飛んでたわ」
ニーナ「そォ┄┄┄」
サラ「この儘ずっと同じなのかもって思ってたらね?今度はジャングルが現れたのよ」
ニーナ「そのジャングルも果てしなく続いてたとか?」
サラ「そォなのよ、でもジャングルの終わりには途轍もなく大きな祭壇があった」
ニーナ「祭壇?ピラミッドじゃなくて?」
サラ「初めはピラミッドかと思った、でも頂上は平になっててそこに大きなクリスタルが祀られてた」
ニーナ「スカイブルーの?」
サラ「スカイブルー?違うよ?真っ黒、漆黒って言った方が良いかも、とにかく不気味に黒かった」
ニーナ「漆黒┄┄私と違う」
サラ「ん?」
ニーナ「ううん、で?」
サラ「気持ち悪くてさァ、草原まで一気に戻ったのよ、そォしたら何と草原にも同じ祭壇があったのよ、勿論クリスタルもね?」
ニーナ「色は?」
サラ「無職透明、まるでDIAMONDの様に輝いてた」
ニーナ「DIAMOND?スカイブルーでもルビーでもなくて?」
サラ「うん、DIAMOND┄┄ねェ、先からちょいちょい話を理解している様に思えるんだけど」
ニーナ「実は私も昨日同じ夢を見たのよ、でも私が見たのは森の中に一部分だけ草木が生えていなくて、開けた場所の地面に突き刺さっていた小さ目のルビー色のクリスタル、そしてサラと同じ場所にあった森の奥のピラミッドの上には、とても大きなスカイブルーのクリスタルだった」
サラ「へェ~┄じゃァ草原の祭壇は?」
ニーナ「それは見ていない」
サラ「そっか、でも不思議だね?同じ日に同じ夢を見るだなんて、それもEVEからXmasに駆けてだよ?」
ニーナ「意味あるの?」
サラ「あるわよ、Jesus様の誕生日だよ?」
ニーナ「┄┄何かのお告げなのかなァ」
サラ「まァ良いじゃん、早く飾り付け終わらせちゃおォよ、これは?」
ニーナ「それは左かな?」


「Merry X'mas!!」
キキィ~ン!!
サラ「┄┄ハア~美味しい、さて先ずはturkeyからっと┄┄ん~~!!このクランベリーソース美味しい!!良いなァ、私もこれ位上手に料理が作れたらなァ」
ソフィア「フフフ、覚える気があるのなら、いつでも来ると良いねェ」
サラ「本当!!ありがとォ御祖母ちゃん」
ソフィア「気にしなくて良いよ?ニーナも私が教えたのだからねェ」
ニーナ「良かったじゃんサラ、プロに教えて貰ってさ」
サラ「プロ?」
スティーブン「母さんはな?昔フランスで店を持っていたんだよ」
サラ「へェ~~」
ダニエル「母さんの料理は凄く有名でね?ヨーロッパに滞在する各国のアメリカ大使館から、何度もオファーを貰っていたんだ」
ティム「でもどの国にも専属にはならなかったんだろ?」
スティーブン「そォ言えば、どォしてなんだい?」
ソフィア「大した事じゃないよ?私は自分の店で自分の作りたい料理を作りたかっただけだからねェ」
ティム「ヤバ!!何か婆ちゃん格好良い」
サラ「うん、飯伏吟って感じ」
ティム「何だそれ」
サラ「分かんない、何かそんな感じがしたから言って見みただけ」
ティム「そォか」
菜智「なら私も教わろォかしら」
サラ「え!!ママは私の後にしてよね?」
菜智「どォして?一緒でも良いじゃない」
サラ「お願い、実力の差を見せつけられて、折角のやる気を無くさせないで?」
菜智「フフフそっか、分かったわ?じゃァ早く覚えてよね?後が支えているから」
サラ「もォ!!プレッシャー掛けさせないでよォ」
ティム「おォ~~い!!pizzaが来たから運ぶの手伝ってくれよ!!」
ニーナ「今行く!!」

「アハハハハ」
「イェ~~イ!!HappyXmas!!」
サラ「ングング┄プハァ~~、ねェママ?私ワインが飲みたい」
菜智「駄目よ!!」
サラ「えェ~~今日位良いじゃん」
菜智「調子に乗らないの!!」
スティーブン「まァまァ、今日位良いじゃないか、な?ダニエル」
ダニエル「え?あ、ま、まァ┄┄菜智?」
菜智「もォ!!アナタもスティーブンも」
スティーブン「ハハハ今日だけだぞ?後は成人してからにするんだ」
サラ「やったァ!!スティーブン叔父さん大~い好きィ」
ハグッ、チュッ
スティーブン「ワハハこれは何とも最高のプレゼントを貰ってしまった、ハハハアリシアが居なくて助かったよ」
ティム「あんなだらしない顔見られたら殺されてたな?親父」
スティーブン「え?そんなにだらしなかったか?」
ソフィア「そりゃァ酷いもんだったねェ」
スティーブン「そ、そォか」
ニーナ「ケーキ持って来たわよ?」
ティム「あ?何でケーキなんてあるんだ?誰かの誕生日だったっけか?」
サラ「誕生日って言うのならJesusのだけどね?」
ティム「今まで喰ってなかったじゃないか」
ニーナ「そォだね?でも日本では毎年Xmasにはケーキが付き物なんだってさ」
ティム「ふゥ~ん、変わった国なんだな?」
菜智「そォだ!!ティム、この前買ってあげたたこ焼きセット、練習してるの?」
ティム「それなんだけどな?ヤッパ1人じゃ無理だよ」
菜智「そっか、なら教えてあげるからいつでも家に来なさいよ」
ティム「本当か!!だったら早速明日から頼むよ」
菜智「OK」
スティーブン「よォし!!それじゃァ少し早いがスティーブンSantaから皆にpresentだ」
サラ「待ってましたァ!!」
菜智「全くサラったら」
ガサガサガサ
スティーブン「先ずは母さんからだ」
ソフィア「私にもあるのかい?それは嬉しいねェ」
スティーブン「開けて見てくれよ」
カサカサガサ
ソフィア「まァ┄何て綺麗なストールだい、それに暖かそォなガウンも┄ありがとォねェ、大切に仕舞っておくよ」
ティム「違うよ婆ちゃん、使わないと、仕舞っちゃ駄目だって」
スティーブン「アハハハハ、次は我が家自慢の弟と菜智にだ」
ガサガサガサ
スティーブン「これだ!!」
ダニエル「兄さん」
スティーブン「さァ開けてくれ」
サラ「なになに?何が入っているの?」
菜智「慌てさせないで?」
カサカサガサ
菜智「素敵!!茶碗に湯のみ、お箸まで、ありがとォスティーブン」
ダニエル「でも兄さん┄どれも最近買い替えたばかりなんだよ」
スティーブン「ハハハハハ菜智、どォやら弟は日本へ行ったと言うのに、日本の伝統を知らないらしいぞ?」
菜智「フフフ、まァ伝統かどォかは分からないけど、あのね?これらは全て夫婦なのよ、いつまでも仲睦まじく共に寄り添って生涯円満で居る、そォ言う意味を持っているの」
ダニエル「そォだったのか、すまない兄さん、これは大切に飾っておくよ」
サラ「いやいやいや違う違うパパ、それはちゃんと使ってあげてね?」
ティム「ダニエルまで婆ちゃんみたいな事言ってら」
ニーナ「ウフフ、本当だね?」
スティーブン「次はァ┄┄おっと、これはちょっと重いか」ガサガサガサスティーブン「よし!!ほれ、これはティムにだ」
ティム「うお!!デカイな」
ガシッ
ティム「お、重いぞ?」
サラ「何かしらね?」
ティム「あァ~~~!!」
サラ「煩い!!」
ティム「こ、これ┄┄」
ニーナ「どォしたの?」
ティム「俺が欲しかった」
スティーブン「ハハハハハ嬉し過ぎて言葉を無くしたか?」
ティム「何で親父が」
サラ「ん?PS5?何これ」
ティム「テレビゲームの本体だよ、ずっとこれが欲しかったん┄┄あ!!婆ちゃんか!!」
ソフィア「以前お前がどォしても欲しいから小遣いを貯めていると言ってたろ?」
サラ「良かったね?ティム」
スティーブン「ゲームのやり過ぎで留年するなよ?」
ティム「あァ~~┄┄本体だけじゃゲームは┄まァ良いか、ありがとォ親父」
カサガサクシャシャ
サラ「あれ?presentは終わり?」
スティーブン「そォだな?まァ私個人としてだが」
ニーナ「そォ┄┄私達のは無いんだ」
サラ「何だあァ~┄┄楽しみにしてたのになァ」
菜智「ちょっと、スティーブン!!まさかとは思うけど」
ガサガサガサ
スティーブン「あれ?」
ダニエル「何をしているんだい?兄さん」
ティム「親父┄┄まさか忘れたんじゃねェだろォなァ」
スティーブン「いや忘れては┄確かここに┄┄┄そォだった!!無くすといけないから花瓶の中に」
タタタタタガタッ
スティーブン「おォ!!あったあった」
ティム「全く┄焦らせんなって」
スティーブン「ハハハすまんすまん、ほら、君達にはこれだ」
ニーナ「ん?何かのチケット?」
スティーブン「それは私達全員からのpresentだ」
サラ「何のチケットなの?」
ニーナ「サラ!!コレ見て!!」
サラ「ん?ジャスティンのチケットとか?」
ニーナ「良く見て」
サラ「┄┄これ┄┄┄日本行きの」
ニーナ「日付は6月18日」
サラ「ニーナの誕生日じゃん」
ニーナ「これって」
菜智「良い事?2人共、そのチケットは私達マック家から、あなた達に夢を託した片道切符よ?」
サラ「ママ」
ニーナ「スティーブン」
サラ「え!!じゃァパパも」
ダニエル「話しは聞いたよ、反対なんて出来る訳無いだろ?君達は私達の結婚を認めてくれたのだから、その君達の旅立ちに水を差す事なんて出来やしないさ」
サラ「パパ」
スタスタスタハグッ
ダニエル「ふふ、ニーナを頼むな?確かにニーナは確りしている、だが真面目過ぎて世間を知らな過ぎる、たまにはrecreationも必要何だ、でもニーナはその方法を知らない」
サラ「うん、私に任せといて?」
ダニエル「なら安心だ、良いかい?君は菜智の娘何だ、自信を持って楽しんで来なさい、それで頑張って努力して、辛くなって帰りたくなる時もあるだろォ、その時はいつでも帰って来なさい」
サラ「┄┄グスッ┄ありがとォパパグスッ┄パパがパパになってくれて本当に良かった┄グスッ┄私頑張ってママの夢を叶えるから」
菜智「ダニエルはあァ言ってるけれど、私は何も心配なんかしていないわよ?サラの事頼むわね?」
ニーナ「うん、任せといて?」
菜智「あなたこそ自信を持ちなさい、あなたの母親は最高の高みを見ているのだから、その血を受け継いでいるのよ?」
ニーナ「菜智」
ハグッ┄ギュッ
ニーナ「私頑張るから、私の身体には菜智の血も流れているんだもん、約束する、絶対にママ達の夢を叶えて見せるから」
菜智「あなたなら大丈夫」
ニーナ「私の母親になってくれてありがとォ、ママの娘になれて本当に幸せだわ?」
ティム「グスッ┄ズズズ、ウグッ」
スティーブン「何だよティム、泣いてんのか?」
ティム「煩ェよ、親父だって泣いてんじゃねェか」

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