震災と東京(2011年初出)
※この文章は、当時、父が被災者として行方不明だった時に執筆したものです。
ある意味では、父に向けた最後の小論として、書いていました。生きてましたがね(笑)
震災と東京
震災から数か月が過ぎると、すっかり当時の恐怖は衰えてしまうものである。
すべてではないが、東京都民の一部の人間は、現状を本当の意味で理解してはいない。震災の起こる前までは、各々が各々の世界にひきこもり、つながりや、連帯の意識も表面的か、あるいは事務的なものが多かった。人間関係の重さに耐えかねて、すぐに