短編小説 バースデーカード
裕美が星を見ることが好きになったのは、祖母の影響だった。都会の裕福な家で生まれ育ったという祖母は、自然の星空ではなく、当時珍しかったプラネタリウムを見たことが星を好きになったきっかけだったそうだ。裕美と言う名は、その祖母の裕子という名前から一字もらって付けられたものだった。
息子である裕美の父は、星にはあまり興味を示さなかったが、孫の裕美は祖母に教えられた星座を夜空を見て指し示すことが出来るほど好きになっていた。
そんな、祖母の七十五回目の誕生日が来週に近づいて、裕美は