惑星ソラリス(津軽じょんから節) 川柳56句
A.未来の鬼首村(2033)
溺れたる静かの海に偽薬無し
鶏卵に助動詞くわえている春
アネモネの枯れる世界に卵立つ
死後と云う両棲類の視る大地
渚にてO・ヘンリーを焼く鳩屋
ホテルマン五郎によった化学鍵
「はつかり」に乱数表の山崩れ
死と生がひとつダゲレオタイプだが
霊的にスモークチーズ折れ曲がる
軟膏にまみれて海の間に海図
現実の父へデコトラ集合す
ソラリスに浮かぶ東京物語
集合のベリヤーエフを雑に書く
無理数で渇きの海へ投げ売った
仏陀Lヤマザキ春のパン祭り
山芋をおろすディズニー映画祭
震源を水島裕の声つたえ
柏原芳恵らが獲るムール貝
瀰漫する巨大投手のはんこ群
やすで売る砂の惑星から電話
虻川をツルゲーネフで喩えると
地底絵にえがかれているサルマタケ
今週のベン・ジョンソンが曲げる釘
厭戦記和尚のペドロ&カプリシャス
味塩を時間そのものとし歩く
小咄に頭脳警察署の閉署
背鰭からくわばたりえが釣る金魚
Gメンのひとりひとりが立つ地球
B.過去のハイ・モスクワ・トレードセンター(1923)
連歌するほうがロッキー・ホラーショー
音韻でえらぶ諸星大二郎
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