ニューロマンサー（金剛界≡胎蔵界）　　川柳28句

芽キャベツの数を合わせる双子星

此地から菩薩教育大へ飛ぶ

マスク屋と鍛冶屋並行進化して

越冬に土竜叩きをし損なう

猿股と呼んだ虚構のあきる野市

参加者がコアラのマーチ順に泣く

精神を構築中の康芳夫

ラケットとふたたび出逢う地球に火

若貴がのはら一家に攻め寄せる

いつか死ぬ身に広告のエロマンガ

水こぼし都市のすべてがオブラート

ソナチネとしゃぶしゃぶ募金つづくなか

季語も無く電車男に雨がやむ

北公次特許許可局まで忘れ

蛾人間モス・マンの脳裏をよぎるゲバラの忌

雨傘に市民海苔貼るチェ・ゲバラ忌

小説の長さを買って来る熊手

マイルスが写っていない鳥の図譜

猿山を太陰暦の猿消える

霧噴きをさがして歩く味噌汁屋

夜を飛ぶウルトラマンの下の蟹

双子座を直流電池から外す

ぶぶ漬けを斉藤仁から喰らう

撮影所今川焼を盗り忘れ

桜庭にフルートからみつく夜は

いなびかり贋の阪神巨人戦

欲望という名の電車内辛子

南極が二度とみえない椅子を呉れ

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