夫が嫌い
夫が嫌いだ
この感情に気付いてしまってからというものの、どうにか宥めすかし、考えないようにしたり、時には本人にジャブを打ったりしてはみたもののどうやら消えてくれる気配もない。
厄介なのは同じ一日の中に、時折「やっぱ好き」と思える瞬間があるということ。
さしづめ、モーニング娘。の往年の名曲よろしく「大嫌い、大嫌い、大嫌い、大好き!Ah〜」といった心理状況である。
結婚して5年、付き合っていた頃から数えると7年近く1人の人と一緒にいる。
身籠る身籠らない問題で、ホルモンバランスに痛いほど支配され、キャリアと夫婦生活に迷いを抱えて進んだ日々だった。
いっそ妊娠出産という一大イベントを「あなたは免除!」と誰か特大ステッカーを私にべべん!と貼っつけてくれやしないかなあ、と夫に吐いたらまた「ありもしないことを」と一笑に付されそうな想像に逃避して、枕に身を投げる。
夫の子供を産みたいと思えない。
ついにはそんな病理にまでたどり着いてしまいました。
世の中の妻たちは旦那の愚痴をどこに捨てているんでしょうか。それとも私が堪え性がないのでしょうか。
とりあえず私が、心身ともにさくっと産める系のおなごでなかったことは確かで、けれどもそれによって夫婦の関係に暗雲立ち込めることは、とても辛いんだと思う。
わかってほしいと思うことがエゴだとわかっていても、共感を求めて、心の穴を埋めようとする。
その性に気づくと、私もまた私のことが嫌いだと感じる。
シンプルに考えると、私は私のことが好きで嫌い。夫のことも好きで嫌い。夫婦は鏡。まさしくそれでした。
「僕は僕を好きになる」乃木坂46の曲にそんなタイトルの曲があって、勝手に解釈するとノートに自分の嫌いな人とその理由を書いたら、一番嫌いなのは自分だったと気づくストーリー。
秋元康もつんくも偉大ですね。
私は夫が嫌い。そして大好きだ。
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