f_14ri

すみませんでした面白いと思ってやりました

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最近の記事

しゃれになってないじゃん!

寝ても醒めても永遠のことを考えている。秘密をぜんぶ話し終えたら、どうしたらいいのかわからない。そういうのってやったことがない。ミステリアスですねとか言われたら、え〜全部教えてあげるよ〜と思う。永遠はどこにもない。光る時間があるのみである。きみ、あの出来事は、わたしの22年間の金字塔です。ああ、ぜんぶ間違ってなかった。あのとき嘘ついてよかったな、とか。傷ついといてよかったな、とか。思う。 きみの部屋の間取りを知っている。パスワードを忘れたら、秘密の質問に答えてね。わたしの星座

    • 好きな人の咳ってかっこいい

      魔法少女ヒヨリルの魔法はごくささやかなもので、現代の科学技術をもってすればもはや魔法なんて必要がなかった。たとえば、ほうきで空を飛ぶこと。自動車に乗った方が涼しいし速い。第一、彼女は重度の高所恐怖症なのであった。最近はLUUPにハマっている。 .*・゚魔法少女の飽きるまで日記 .゚・*. 2024/8/13 電動キックボード、LUUPに初めて乗った。たのしかった。最大速度の20キロにもすぐ慣れた。都会を走行するLUUPを見かけるたびに、未来みたいだと思う。私もその日、お盆の

      • 盆踊りのイメージ

        日傘はひと夏で飽きて、ドラマチックなことはたぶん起こらない。全員きらいだ。私のことが好きな男の子に「面白いね」とか言われて、面白いこと言ってないしとか思う。そいつのせいで、今まで私が言われてきた「面白いね」が全部嘘だったように思えてくる。ゆるせない。 大学に通い始めてもう4年目になるから、学内でいちばん寝心地の良い椅子を知っている。いつも現実から逃げるように眠る。しかし、逃げた先の夢でも大概えらい目に合っているのである。 みた夢の内容をGoogleで検索するようにしている

        • 不在の日記

          警察署へ行った。免許更新のためである。いつもより早く起きて、化粧をし、お金を下ろし、証明写真機で写真を撮った。忘れ物もなく完璧のはずであった。なのに受付の人は「予約昨日ですね」とあっさり言った。スマホの予約画面を確認すると確かに昨日の日付が書いてあった。「予約を取り直してまた来てください」と証明写真を突き返されたが、意外と落ち込むことはなく、ただ「そうですか。」と思った。 その後、気になっていた古本屋に行った。だが、定休日ではないにもかかわらず扉には鍵がかかっていた。開店時

          魔法少女を名乗る

          好きな人から少年漫画の込み入ったあらすじを説明されたい。ややこしくてあんまり理解できないけど、君のこと好きだし、楽しい。ていうか、その髪型似合ってる。襟足が伸びてウルフカットみたいになっちゃってるその名前の無い髪型。と、うっとり見惚れていたら話を聞いていないことがバレて怒られてみたい。 1回全員で死にませんか?イヤホンの中のお前。文化的な恋愛をしやがって。世界をまるっと愛しているときもあれば、全員死ねと思うときもある。夜道を練り歩きながら、しねしねしねって3回思う。 「か

          魔法少女を名乗る

          つまらない生活をすてろ!

          コーヒーが冷めてしまうことですら、鬱陶しくて仕方がない。こんなに寒いから風邪をひいてしまった。鼻が詰まっているから喋るのが面倒くさい。黄色のベンザブロックの箱がアメリカンスピリットのようでドキリとした。風邪薬を飲んでは煙草を吸って症状を悪化させている。そのような感じで、私の毎日もなんだか一進一退というか、一向に良くならない感じなのである。時間ばかりが過ぎ去って、本当は就活とかしなきゃいけないのだろうけれどやり方がわからない。 他にもパン屋でおばさんに順番を抜かされたり駅でお

          つまらない生活をすてろ!

          したたかに生きる

          2年前に回転寿司屋のアルバイトを「目が回る」という理由で辞めてから、ろくに働いていない。それなのに、旅行に行ったりパーマをあてたりしている。当然のようにお金がない。でもそろそろ働いてもいいかな、なんて言っていたら、おしゃれな喫茶店が求人を出しているのを見つけたので、応募した。 面接の日を迎え、私は店に10分前に到着した。それは、絶対に受かりたい!という強い気持ちの表れであった。しかし約束の時間になっても店の扉は開かなかった。待てど暮らせど開かないのである。しばらくしたら電話

          したたかに生きる

          爪を塗る

          ネイルサロンに行ったことがない。行ってみたい気持ちはあるけれど、私のなかで爪の優先順位はわりと低い。いろんな事情でかんたんに落とせないのも困る。加えて、自分でマニキュアを塗る行為が結構好きだ。そのためもっぱらセルフネイルである。丁寧に爪を塗ることは明日をハッピーに過ごすおまじないのような気がしている。実際、ふと視界に入るとハッピーな気分になる。爪かわいー。 大抵いつもラジオを聴きながら塗っている。ラジオ中って手が暇であるし、爪塗り中は耳が暇であるから、本当にちょうどいい。ち

          爪を塗る

          血のにじむような夕刊

          恋でふわっとなる季節にきらっと光る。20歳にもなれば、毎日わりと忙しくて、それなりにストレスを抱えており、そのストレスが引き起こす体調不良によってまた苦しんでいるわけであるが、日々努めて退屈そうな顔をしている。 なぜなのか。ただの偏屈である。6時間目のラジオ体操を馬鹿丁寧にやったり、制服を規則通りに着たりしたのは思春期への逆張りのはずだった。けれども逆の逆は傍から見ればもはや順、自分でもよくわからない。なにしろ現在は、充実アピールや不幸アピールが蔓延る世の中に対抗すべく、今

          血のにじむような夕刊

          永すぎた僕のセゾン

          電車の乗り降りで、ソワソワと急かないことにより最低限の色気を保っている。実にしょうもないことである。けれど、私にとってこのようなことがなによりも大切で、尊いことなのだ。常にちょっとだけ「恥ずかしいな」と思いながら暮らしている。いつなんどきも、うっすらと恥ずかしい。自意識過剰のあまり、自意識過剰であることをひた隠しにしている。 長い春休みが終わった。永遠かと思った。4月に入った辺りからだんだん鬱々としてきて、何をしていてもなんだか苦しくて落ち着かなくて、イライラしていた。普段

          永すぎた僕のセゾン

          ため息のひみつ

          全部うっそぴょん、と言って終わらせたい。私が打算的だったことなど一度もないよ。小学生の頃はフラッシュ暗算がめまぐるしかった。誰のことも、好きじゃなかった。 ずっと算数は苦手で、図書委員ばかり引き受けていた。図書室にある数少ない漫画は、多分、全て読んだ。小学館ひみつシリーズ。漫画ならなんでもよかったのかな。チョコレートの作り方も、ニュートンのりんごの話も、図書室の漫画で学んだ。 放課後、廊下の傘立てに座って、『女の子のからだのひみつ』的なタイトルの学習まんがを読んでいたら、

          ため息のひみつ

          僕は問題ありません

          私は身体が柔らかいから、ワンピースの背中のファスナーをひとりで上げられる。瓶の蓋を開けるコツを知っている。僕は問題ありません。ひとりで生きていける。寂しいときは寂しいと歌えばいいし、暇だったらなんか食べればいい。冷蔵庫の中身はいつも期待はずれだ。 思考回路がパーティーグッズの長いストローのように、メガネやハートになっている。大人になって初めて困った。小さい頃は不思議ちゃんだとか大人に言われて、なんだか腑に落ちずにいた。「私って卑怯ですよね?」って、他人に甘えたい衝動に駆られ

          僕は問題ありません

          甘辛フリスク

          ピコピコしてる音楽聴いて白目剥いてたらいつの間にか桜散ってた。こんなに暑い季節に生まれた覚えは無い。19歳になっても私はなんにも変わらなくて、大きなあくびが出る。諸行無常の世で1人、死ぬほど退屈なのだ。 誰にも嫌われないように生きていたら誰も好きになってくれなくて、小さなくしゃみさえも出ない。1度でも、超美少女転校生として噂されてみたいものである。知らん奴に「あいつは鼻が低い」などの悪口を言われたって構わないじゃないか。頭の中ではわかっている。 素直に好きなものを話すと、

          甘辛フリスク

          ノクターン

          なんか最近、好きな曲やラジオがしっくりこない。しかし何かしら聴いていないと耳がお留守で落ち着かないのでクラシックのプレイリストを繰り返し聴いている。そしたら、クラシック好きになっちゃった。すぐ好きになっちゃう。ややこしい女ほど「わたしって簡単な女なんで」と嘯く。そういうところが、いかにもややこしい。おばけの気配がして、「居るのわかってるんだからね!」と一応叫ぶのと似ている。 流行りのあのロマンス映画の真似をして歌ったら、楽しくてちょっとがっかりした。小馬鹿にしてたもののやっ

          ノクターン

          言うてみればデート

          女の準備は前日の入浴から始まっている。当日ドタキャンされると、昨日誰のために風呂入ったと思ってんだよ〜、と思う。明日会う人のことを考えながら湯船に浸かる。好きな人に会う前日は丁寧な長風呂※1になるし、明日誰にも会わないなら雑な長風呂※2になる。結局長風呂。で、家族に怒られる。なぜ長くなるのかというと、出るのが面倒くさいからである。入るのも面倒くさいし出るのも面倒くさいのだ。私はいつも現状から脱せない。 ※1…半身浴をしたり入浴剤を溶かしたりする ※2…のぼせるまで浸かり続け

          言うてみればデート

          退屈姫

          恋と退屈とロックンロール、あともう一つ私にはあって(まあそれは内緒なんですけれど)、それでも毎日は退屈で退屈で退屈で仕方がない。 浮世では誰も鋭いことを言わないし、暇なんかい受験生、というほど自慢話と悪口、異性の噂で教室はてんやわんやしている。クラスの男子が「出勤5休日2ってどう考えても疲れ取れんくね!?」と全く新しくない切り口で世相を斬ろうとしていて嫌だった。学校以外で知り合った友達と話しているとこういったくだらなさが浮き彫りになる、と同時に、世界の広さに対して、絶望に似

          退屈姫