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ぷっかりと浮かぶように



 息子の体調不良が続いている。主に腹痛。

 続いているって、よくよく考えたら、彼が小6の時からだから、もう6年は続いている。波があり、いつもいつもしんどいというわけではないようだが、それでも繰り返し繰り返し、しんどいタイミングがやって来る。

 特に、7月の頭は、いつも調子を崩す。これは小3の頃から。4月からの疲れが溜まり、身体が悲鳴をあげるみたい。今年もまたやってきた。わたしが気管支炎にかかってすぐ、息子も風邪をひき、その後高校を休む日が続いている。

 この体調不良をなんとかしようと、長年いろいろとやってきた。胃腸が弱いことを改善しようと、病院に通い、漢方薬やサプリメントにも頼っている。けれど、今回は家でゆっくりしていても、腹痛が繰り返しきて、息子はそんな自分の身体に、ほとほと嫌気がさしているようだ。

 食べたら、お腹が痛くなる。そうすると、食べるのが怖くなる。食べるものに、とても神経質になっていく。体重が減ってゆく…

 最初は、慌てふためいて、わたしも大きく揺れた。このままじゃ、まずいと思って、まずは、自分自身のメンテナンスをして、気管支炎を治すようにした。

 自分の身体が楽になってきて、ようやく慌てず騒がず、対応できるようになり、そうしたら、息子はゆっくりと回復してきた。風邪を治し、食事に気をつけて、ゆっくりと過ごして、7月末、ようやく食欲が戻ってきた。ホッとしている。それに、もうすぐ夏休み。待ち遠しいが、休んだ分だけ補講があり、それも行けるかどうか、わからない。つい、不安になってしまう。

 わたしは、「体調不良を取り除いてやりたい」と思ってきたが、月日が流れてだんだんと、「体調不良とうまく付き合っていくのがいい」と思うようになった。そうして、そうサポートするようになったのだが、ふっと、最近思ったことがある。

 うちの息子に限ってだけれど、この「体調不良」は、息子の何かを護っているのではないだろうか。

 体調不良でなくてはならない、何か理由があるのではないか。それは、息子も気づいていない、彼の無意識の中にあるもの、のような気がする。

 これからは、そういう視点を持って、息子と過ごしてみよう。

 この体調不良が、今の息子に必要ならば、取り上げてはいけないんじゃないか。いや、息子の根本が、治したくないと思っていたなら、治らないのではないか。でも、こうも思う。わざわざ、しんどくなりにいく…そんなことって、あるだろうか。やっぱり、わからない。

 また、わたしは、息子の体調不良のことで、頭がいっぱいになりがちだった。でも、これまでみたいに、一生懸命解決しようと、意気込むのをやめた。おんなじことの繰り返しになってしまう。たぶん、まずは緩みや余裕が必要なんだろう。

 力を抜いて、今に身を任せてみよう。これまでだって、力を抜いてきたつもりだったけれど、もっともっと、水にぷっかりと浮かぶように、穏やかに過ごしてみよう。

 ゆっくり、ゆっくりと。
 なんとかなるさ、で。


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