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#2 自主トレメニューの具体例

福岡県北九州市で整骨院を2軒経営しながら、プロ野球選手の個人トレーナーや社会人野球・大学・高校野球部のトレーナーをしている、「石橋英志」の独断と偏見だらけの投稿を配信中

今回の投稿で分かることは、


実際のトレーニングメニュー例

選手対象のプロフィール(架空)

・28歳:大卒6年目のシーズンをむかえる。
 昨シーズンはじめて先発ローテーションで1年間稼働。
・身長:187㎝ 体重:95kg→除脂肪体重が少ないために筋量を上げたい。
・右投げ:パリーグ所属チームであるために打撃は無視する。
・オーバーハンド 先発投手
 今シーズン最高球速147km/h→球速の3km/hアップが目標
・9勝6敗→100イニング以上は達成している。
 打者の3巡目で球速が低下し、決め球のフォークボールが打たれる傾向にある。
 100球前後で球速が低下する傾向にある。


具体例1:第1クール1日目

練習始めになるケースが多いために、身体に刺激を入れつつ汗をかく負荷量のトレーニングとする。第1クールの3日間で静的・動的ストレッチ、ラダー・ミニハードルなどのW-up(ウォーミングアップ)のメニューを覚えてもらう。
*メニューの指示があれば、選手自身がトレーナーの意図が分かる程度までに覚えてもらう。
自主トレの開始クールと最終クールで、メディシンボールスローとバウンディングの測定を行い自主トレでの仕上がりを選手自身に体感してもらうために、第1クールの1〜2日間をつかい両メニューの測定を行う。

①W-up:45分
 静的ストレッチ:5分
 ランニング:5分
 動的ストレッチ:15分
 ラダー・ミニハードル:10分
 短ダッシュ:10分
②ファンクショナルトレーニング
 1.90-90ヒップリフト
 2.T8エクステンション
 3.シンクロナイズドTFLインヒビション
 4.背臥位脚上げスイング(腸腰筋の遠心性収縮)
 5.ヒンジバック
 6.ヒンジバックローテーション
 7.アンクルプッシュ
 8.ランジ4種:ダウン・手前・手上・胸郭回旋
③HIITトレーニング:20秒×4種目/rest10秒
 ⒈フロントレッグランジ
 ⒉サイドランジ
 ⒊サイドステップスクワット
 ⒋バックレッグランジ
④体幹トレーニング1
 ⒈クランチ:30秒/rest15秒
 ⒉肘-膝タッチ:30秒/rest15秒
 ⒊肘-膝タッチ(対側):30秒/rest15秒
 ⒋踵タッチ:30秒/rest15秒
 ⒌ワイパー(上下):20秒/rest15秒
 ⒍ワイパー(左右):20秒
⑤ランニングメニュー:総距離1,900m
 本日のランニングテーマ:身体を動かして発汗を促す。
 *セット内rest:心拍数140回以下/分  セット間rest:心拍数120回以下/分
 ⒈6分間走:目標距離1,500m
 ⒉100m走(設定タイム18秒):6分間走で1,700mに到達してない距離の本数
 ⒊50mダッシュ(設定タイム8秒):4本
  *restは50mのjogで30秒
⑥補足メニュー:メディシンボールスローでの距離測定
 ⒈正面スロー:3回
 ⒉斜めスロー:各3回
 ⒊背面スロー:3回
 ⒋背面斜めスロー:各3回
 ⒌投げ上げ:3回
⑦投球ドリル:ViPRトレーニング
 ⒈BOX着地(シングルレッグ)→ViPR push
 ⒉シングルレッグバックステップ(2歩)→サイドランジ
 ⒊シングルレッグ4ステップ→サイドランジ
 ⒋スティフレッグデッドリフト
 ⒌エアプレーンスイング
投球前W-upドリル
 ⒈ベアーツイスト
 ⒉肩関節外転→外旋(1kgダンベル)
 ⒊ゼロポジション内旋(1kgダンベル)
 ⒋ゼロポジション伸展(チューブ)
 ⒌ゼロポジションバウンド(ゴムボール)
キャッチボール・ノック
〜昼食〜
⑩体幹トレーニング2:各30秒/rest20秒

 ⒈ストレッチポール同側アップ
 ⒉ストレッチポール対側アップ
 ⒊elbow-kneeハンドアップ
 ⒋elbow-kneeフットアップ
11.レジスタンストレーニング:約60分
〜ホテルに移動後コンディション調整〜
コンディション調整、今日のメニューの振り返り、翌日のメニューの微調整などを行う。

*各メニューの具体的な作成方法→#3自主トレメニューの作り方(準備中)


具体例2:第3クール2日目

第1〜2クールで長・中距離に対する刺激を入れつつ、メディシンボール・プライオ系・アジリティ系トレーニングの基本的なポジション(方法)を指導を行っている。第4クールでより野球動作に特化したトレーニングを行うために、第3クール2日目に基礎的動作・身体耐性の確認を行う、前半トレーニングの総括的トレーニングメニューになっている。

①W-up:45分
 静的ストレッチ:5分
 ランニング:5分
 動的ストレッチ:15分
 ラダー・ミニハードル:10分
 短ダッシュ:10分
②ファンクショナルトレーニング・骨盤トレーニング
 1.90-90ヒップリフト
 2.T8エクステンション
 3.シンクロナイズドTFLインヒビション
 4.背臥位脚上げスイング(腸腰筋の遠心性収縮)
 5.ヒンジバック
 6.ヒンジバックローテーション
 7.アンクルプッシュ
 8.ランジ4種:ダウン・手前・手上・胸郭回旋
 9.股割り:上下・左右
 10.骨盤体操4種:前後傾・左右・回転・内外旋
 11.骨盤トレーニング
③HIITトレーニング:20秒×8種目/rest10秒
 ⒈ランジ(右足前/ケトルスイング横)
 ⒉ランジ(左足前/ケトルスイング横)
 ⒊サイドランジ(右足/ケトルスイング斜め)
 ⒋サイドランジ(左足/ケトルスイング斜め)
 ⒌ランジ(右足前/ケトルスイング斜め)
 ⒍ランジ(左足前/ケトルスイング斜め)
 ⒎スクワット(ケトルスイング斜め)
 ⒏スクワット(ケトルスイング上)
④体幹トレーニング1
 ⒈V字クランチ:40秒/rest15秒
 ⒉垂直クランチ:40秒/rest15秒
 ⒊ダブルツイスト:40秒/rest15秒
 ⒋インサイドブリッジ (右):30秒/rest10秒
 ⒌インサイドブリッジ (左):30秒/rest15秒
 ⒍メディシンボール渡し:40秒
⑤ランニングメニュー:総距離2,000m
 本日のランニングテーマ:坂を全力で駆け上がる。
 *セット内rest:心拍数140回以下/分  セット間rest:心拍数120回以下/分
 ⒈坂ダッシュ100m:5本
 ⒉坂ダッシュ50m:6本
 ⒊坂ダッシュ30m:6本
⑥補足メニュー:メディシンボールスロー
 ⒈正面スロー:6回
 ⒉斜めスロー:各6回
 ⒊背面スロー:6回
 ⒋背面斜めスロー:各6回
 ⒌ワンステップスクワット投げ上げ:6回
 ⒍ランジクロス叩きつけ:各6回
 ⒎ランジサイドスロー:各6回
 ⒏ニーリングフロントスロー:6回
 ⒐ニーリングツイストスロー:6回
 ⒑ハーフニーリングフロントスロー:各6回
 11.ワンステップフロントスロー:各6回
 12.ワンスキップフロントスロー::各6回
⑦投球ドリル:ジャンプ系
 ⒈サイドジャンプ→シングルレッグダウン
 ⒉サイドジャンプ→ランジポジション着地(BOX)
 ⒊エアプレーンスイング
 ⒋エアプレーンピックアップコーンタッチ(BOX)
投球前W-upドリル
 ⒈ベアーツイスト
 ⒉肩関節外転→外旋(1kgダンベル)
 ⒊ゼロポジション内旋(1kgダンベル)
 ⒋ゼロポジション伸展(チューブ)
 ⒌ゼロポジションバウンド(ゴムボール)
キャッチボール・ブルペン
〜昼食〜
⑩体幹トレーニング2:各30秒/rest20秒

 ⒈ストレッチポール対側アップ
 ⒉ストレッチポール対側スイング
 ⒊elbow-kneeハンドアップ
 ⒋elbow-kneeハンドスイング
11.レジスタンストレーニング:約60分
〜ホテルに移動後コンディション調整〜
コンディション調整後に夕食などを行い、今日の練習の振り返りと明日の練習のメニューの微調整を行う。複数の選手のコンディション調整がある場合や、夕食の時間などにより仕事の終了時間は左右される。

*各メニューの具体的な作成方法→#3自主トレメニューの作り方(準備中)


何を考えてメニューを作成したか?

自主トレ期間全体の流れを考える。

自主トレのメニューを作成する上で1番はじめに考えることは、シーズンを戦う上で選手に何が必要なのかを対話して決めることです。選手との対話により以下の2つの課題を改善する自主トレに決定した。

課題

⒈投球フォームを改善し力の伝達効率を上げて強いリリースを行えるようにする。
 →軸足の力の伝達方向の改善により並進運動の速度を上げる。
 →並進運動の速度を上げるためのトレーニングを行う。
⒉100球以降でも球速が低下しない体力作りを行う。
 →1試合120球(最高)を投げられるトレーニングメニューを組む。
 →イニング間の休息時間を意識してトレーニングメニューを組む。

自主トレ期間と時間の設定

⒈自主トレ期間と時間を選手と話し合いにより決定する。
⒉今回の自主トレは3勤1休で行い、開始時間は9時からランニングスタート、キャッチボール・ブルペンでの投球終了を12時〜13時、昼食後レジスタンストレーニングを行うタイムスケジュールとする。
⒊移動時間を考慮しなければならないが、15時〜16時よりコンディショニング調整を行う。



ここまでお読みいただきありがとうございます。
今後もプロアスリートのトレーナーに必要な知識や、治療に困っている人に役立つ情報を配信していきたいと思います。
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