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562○ 踏みしめた雪のように

「踏みしめた雪のように」


時間を気にすることなく

この世の酸いも甘いもを身体に纏わせて

優雅なダンスで降りてくる雪たち

幻想にもなり得て

脅威にもなる可愛い悪魔ちゃんだ

それらと共にしながら

私は颯爽と歩いている

当てはあるのに

このままなくなってしまえばいいと

身体からはみ出る棘に

雪はなぐさめながらも冷やかしてくる

不意に足元が歪んだ

不覚にも滑らせた片足の裏に

変わり果てた雪の残骸

あんなに綺麗な柔らかさは

黒にもなりきれない灰色になって

無言を貫いたままである

まさに今の私の気分が

透かされた瞬間であった

こんな風になる時もあるだろうと

また上空を見させてくれた

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NAKAJI

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