530○ 死なない
「死なない」
使わなくなった量産物が
いつの間にか山脈になっていた
色も形も国さえも
見事に噛み合わずにでも
一つの存在の縮図と成り果てる
そう思えば
それぞれが主役の者達が世界の果てに追いやられて
忘れ去られるはずもなく
雨粒の昇華とともに
また国々の誰かの元へ旅立っていく
もうこの世は人間とテクノロジーが目合い
地球の青さが隠れるほどの
ネットワークの足跡が付く毎日である
星は美しさを映し
夜道をも照らす手助けだ
今誰かが誰かの元へ向かい
渡ったり渡されたり
繰り返すやり取りを傍観出来るなら
死んでいる暇もないくらいである
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NAKAJI