546○ 泡になる恋
「泡となる恋」
定まると思いきや
どんどん軸がぶれていく範疇
目に止まる印象は
自らの好みであるかどうかと
何とも曖昧で青い冒険
小鳥はくちばしで確かめ会うだなんて
都合のいい話しにもほどがあるが
口唇を重ねるだけで
思考は止まってしまうというザマ
どこまでも柔らかく
始まりも終わりも分からないまま
気付けば泡の中で泳いでいる
飢えた魚同士
揺れ続ける本心を飾る言葉は
「あなたが好きです」
遠くない未来に思い出せば
書きなぐった同じ言葉が
街に部屋に心に
散らかしたままであるけれど
それもまた微笑ましい
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NAKAJI