これは”未練”じゃなくて”余韻”なの。
久しぶりに元カレくんを思い出して泣いてしまった。
別れてからこぞって私の中の感情が元カレくんを悪者にしようとしていたから、「元カレくんは嫌なヤツだった!」と私自身流されていた。
だけど、なんだかんだ思い出してしまうし、未だに「元カレは貴方をどう思ってる?」なんて占いも見てしまう。
* * *
元カレくんと付き合ってすぐに、ひたすらに惚気を垂れ流すTwitterアカウントを作っていた。4ヶ月という短い交際期間だったけど、結婚したいくらいに大好きで、ずっとずっと一緒にいたいと思っていた。
だけど、別れは唐突で、喧嘩で険悪になり、あっという間に振られてしまった。
「話し合いもできないなんて、最初から本気じゃなかったんだろう」
なんて決めつけて、気がつくと私は元カレくんを悪者にしていた。
だけど、Twitterの私の文章からは「元カレくんに大事にされている」雰囲気が、ダダ漏れていて読んでいて笑ってしまった。
私が中学生の時に下り階段で落ちて以来、下り階段が少しだけ怖いという話を何気なくしたら、なるべく下り階段では手をつないでくれるようになったこと、私が好きなアーティストのYouTubeを空き時間に見ていてくれたこと、私がいつもイヤカフをつけているから真似してつけるようになったこと、元カレくんに通せんぼされて歯磨きの間バックハグして待っていたこと。
他にも「ふたりで想い合っていた時間」がたくさん残されていた。
元カレくんは少し不器用なところがあって、一人の時間が大事なタイプなんだろうなと気付きながらも、勝手に不安になって、自爆して、駄目にしてしまった。
今ならもう少しだけうまくできるのにな、なんて思いつつ、正直寄りを戻してもまた駄目になってしまうと思う。
* * *
そんな私だけど、今の彼氏と付き合って3ヶ月が経とうとしている。
今カレは、元カレくんより愛情表現が豊かで、深読みしなくても「あぁ、この人は私のことが大好きでたまらないんだ」ってことがすごく分かる。
だから私は安心できるし、メンタルもすごく落ち着いているし、甘えることや自分の素を出すこともできている。
最寄り駅が同じこともあり、たくさんたくさん会っていて、きっと元カレくんと4ヶ月付き合って会った3倍位の回数はすでに会っている。
30歳になったけど、恋愛経験が少ない私は追いかけられる恋愛は初めてで、最初は戸惑っていたし、自分の中の「好き」が、元カレくんへの好きより大きい自信がなくて、少し罪悪感もあった。さっき泣いたときも「今カレくんごめん~・・・」という気持ちも混ざって泣いていた。
だけど、心から大事なことは確かで、その気持ちには自信がある。
これから先も一緒にいたいと思うから、何があっても後悔しないように、うんと大事にしようと思っている。
* * *
と、誰かが言っていた。映画が好きな私はこの言葉に救われている。
不意に元カレを思い出すのは今カレへの「好き」が足りないわけじゃないし、未だに今カレより元カレを好きなわけではない。だから思い出してしまっても、罪悪感を感じる必要はない。
そう考えることができるようになった。
元カレくんと今後付き合う女の子を刺して回りたいと思ってた気持ちも、急に振ってきた元カレくんが腹立たしくて「クソでかいタライを送りつけて処分を困らせたい」と考えていた怒りも、今は落ち着いた。(オートロックがなくて玄関に直接置き配できれば本当に送りつけていたと思う)
「どうか元気で幸せでいてくれたらいいなぁ」とすら思える。
心を揺さぶられた映画は、何度も思い出して、咀嚼して、必ず人生の糧になる。
元カレくんと別れたからこそ、いろいろなことを考えることができたし、今の恋愛にも活きている。元カレくんが愛してくれたから自分に自信がついた。元カレくんとの素敵な思い出がきっとこの先、支えになることもあるだろう。
こうやって、成長した私は、今カレをうんと大事にできる。
大好きな人と、なるべく長く一緒にいられるように、相手を尊重することを勉強できたのも、元カレくんのおかげ。
そんな自分を偉いねって褒めてあげて、
明日も精一杯の愛を今カレくんに伝えよう。