富士山の麓のキュートな顔|静岡県 長泉町文化財展示館
連日の暑さに負けそうにながらも、相変わらず大好きな縄文時代の土偶や土器を訪ね歩いています。
夏本番を迎え、レジャーなどの計画も立てられる方も多いことと思いますが、安心して訪れることのできるスポットの一つとして地域の博物館や資料館はいかがでしょうか。
今回は、縄文時代へプチトッリップできる、静岡県の文化財展示館のご紹介です。
富士山を臨む長泉町
長泉町は静岡県の東部、富士山の南東のすそのに位置する町で、観光地としても人気の沼津と三島にもほど近く、ちょっと寄り道するにも恰好の場所です。
JR御殿場線の下土狩駅前のひときわ目立つ黄色の建物が、文化財展示館のある長泉町コミュニティーセンターです。
下土狩駅は1934年(昭和9年)に改名された駅名で、元々は「三島駅」であったことから、それ以前は三嶋大社への玄関口として賑わい、小説家・井上靖の自伝的小説「しろばんば」にも登場する駅としても知られています。
コミュニティセンター屋上は芝生公園になっています。〝古代のハス〟として知られるオオガハスの花も咲き始めていました。
2,000年前の人も見たであろう「古代ハス」を目にして、少しだけ古代に思いを馳せつつ、建物の一角にある独立したスペースの文化財展示館へ向かいます。
いよいよ文化財展示室へ
縄文土器がドーンとそのまま展示されています。
その数の多さと、今にも手が届きそうな展示に、一気に気分が高まります。
長泉町では、十数カ所の旧石器時代から縄文時代の遺跡が見つかっていて、このように数多くの土器が出土しています。
また関東各地や愛知、関西などで多く使われていた土器も出土していて、各地との繋がりがあったことが考えられます。
ガラスケースには、この地に人が住み始めた3万3千年前から江戸時代までの遺物や資料も展示されています。
これは、縄文時代に修復した後に使用されたと思われる土器です。
割れが出来てしまった部分が広がらないように、穴を明けて、草などの繊維でできた紐のようなもの(ピンクの紐のように)で縛って使っていたようです。
イチオシは、人面把手付土器です。
人面把手とは、顔のような把手のことで、〝人面〟または〝顔面〟把手とも言われ、土器の上部に付いていたものです。
こちらは土偶
この展示室の向うは側は「整理事務室」で、発掘された土器を繋ぎ合わせたり、調査している様子をガラス越しに見ることができます。
これらの土器などが、何千年も前のここで使われていたと思うと、何だか不思議な気分がしてきますね。
縄文時代から戻ってきた後は、長泉町のいろいろを楽しむのもお勧めです。
美術館や公園も
長泉町にはあるベルナール・ビュフェ美術館には、小さな子供が自由に楽しめる「こども美術館」も併設されており、大人も子どもも充分に楽しめる空間となっています。
さらにそのすぐ近くの駿河平自然公園は、長さ130メートルの吊り橋や芝生広場、展望台、自然のせせらぎや池などが整備された総面積約43,000平方メートルの広々とした公園で、お弁当を持ってピクニックにも最適な場所です。
旧石器時代から人々の営みがあった名残でしょうか。
長泉町は自然を満喫しつつ、文化にも触れられる町として発展しています。
運が良ければ、雄大な富士山を臨むことができるかもしれませんね。
最後まで読んでいただき有難うございました☆