凡人は、肩甲骨と骨盤の後傾を獲得したい
骨盤と肩甲骨が過剰な前傾位で固まっている凡人は、ひたすらトレーニングボリュームを増やしたり、追い込みをかける前に、そのジャンクボリュームとなってしまった時間を、肩甲骨と骨盤のコンディ二ングに当てた方が身体づくりに対して誠実、と言えるかもしれない。
そうじゃないと、某メンズコーチに、マッチョになるのは厳しいって、と言われてしまいそうです。(
骨盤も肩甲骨も、厳密にいえば静止立位でのニュートラルは後傾位、ではないと考えられる。
(肩甲骨は、肩峰と下角を結んだラインが10°ほど床との垂直線に対して前傾しているのが数値的なニュートラル)
(骨盤は、左右ASISと恥骨の三角形が床と垂直。第 10 肋骨と ASIS が同直線上)
骨盤後傾のキーマッスルは、
・ハムストリングス
・腹筋群
肩甲骨後傾させるためのキーマッスルは、
・僧帽筋下部
・前鋸筋
(前鋸筋は肩甲骨を直接後傾をもたらすというより、後傾させるために重要な外旋や上方回旋を僧帽筋と協力して行うというニュアンスかと。前鋸筋の上部は肩甲骨下方回旋や前傾作用もあるので少し厄介)
つまりこれらを活性化させていきましょう!
となりたいところだが・・・
凡人は、これだけではうまくいかないケースが多い。
そのまえに、過剰な部分に抑制がかからないといけない。
その作業が大切。
基本的には、作用が拮抗する筋肉たちの抑制アプローチをかけたいところ。
・大腿直筋
・大腿筋膜張筋
・脊柱起立筋群
・小胸筋
・肩甲挙筋
あたりは過剰の主力。骨盤前傾筋、肩甲骨前傾筋。
これらだけをまずは抑制するだけでも、それぞれの後傾動作の学習が非常にやりやすくなる。
でも、もっというと肩甲骨も骨盤も3Dでうごくので
・骨盤前傾に関しては、ASIS同士が離れていく外旋動作
・肩甲骨に関しては、関節窩が内側を向いていく内旋動作
これら二つが付随してくる可能性が高く、これらを担う筋も下ごしらえとして抑制がかかっていると非常にスムーズになりやすい。
・中臀筋
・大臀筋
・三角筋後部
・棘下筋
・大円筋
・小円筋
あたりです。
私の経験上、凡人は細かい下ごしらえの量が必要なのが多い人だと考えているので、ここでは、しっかり一本一本の木を見るアプローチが大切だと思います。
その違いは細かくやれば、きっとわかる人は違いに気づくと思う。
その中で、都度全身の動きを確認したりして、その木がどれだけ全体の動きに対して影響を与えていたかを感じ取りながらやっていく方が効果は出やすい気がする。
木のアプローチで個々の筋に抑制をかける場合はマッサージボールがオススメ。
マッサージボールも、当てる部位やその人の状態よってボールの形やサイズは変えた方が良いと思います。
例えば、やってもらえればわかると思いますが、小胸筋は、大きいマッサージボールの方が当てやすいです。
また、骨盤職人だと当てづらい部分もありますし、あの木の素材の玉が硬すぎて、拘縮が強すぎる場合には痛すぎて、緊張を過剰にしてしまう場合があります。
そういった場合、柔らかい素材だったり、まずは大きいボールで広い面で当てるなどする必要もあるかもしれません。
おすすめは、トリガーポイント社のMB1と5あたりですかね。