Kenji Kojima またの名を 小島健治

知覚認識を探求するアーチスト 視覚から音楽を取り出すデジタル・アート ニューヨーク在住…

Kenji Kojima またの名を 小島健治

知覚認識を探求するアーチスト 視覚から音楽を取り出すデジタル・アート ニューヨーク在住 LiveCodeプログラマー 世界各地のメディア・フェス等に参加 反NFTアート Binary as an Art Material https://kenjikojima.com

最近の記事

オルタナティブ・アート・スペースがインターネット上に移行しつつあります。

ここ数年、インターネット上でのアートエキジビションが増えて、私自身のエキジビションも、今年は約70%がオンライン、20%が物理的なスペース&オンラインの同時開催です。アートビジネスではない、実験的なオルタナティブ・アート・スペースが、インターネット上に移ってきているので、AIが出してきた資料も参考に、その傾向について大雑把にまとめてみました。 オルタナティブアート・スペースについては、美術手帖のARTWIKI が参考になります。 添付したイメージは、私のビデオ・アート作品

    • This Planet is Our Home. を24カ国語で宣言します

      2024年7月17日から9月27日まで、ニューヨーク市バルーク大学のニューメディア・アート・スペースで開催されているエキジビション「ripples」から、小島健治のビデオ作品「This Planet is Our Home.」の日本語解説です。 オンライン・エキジビションは世界中どこからでも見れます。https://newmediartspace.info/exhibitions/2024_ripples/  サイトを開いたら左側のアーチスト・リストから「Kenji Koj

      • ロケットが地球を泣かせている 4:20

        アートワーク・ビデオは快晴で新緑の森を見上げながら、宇宙開発のロケットが排出するガスによる、地球温暖化への懸念を表現した曲を歌います。中央に英語で歌詞が表記される画面に、5か国語の字幕が付いています。 アーティストの小島健治は、これまでエコロジーをテーマに多くの作品を制作してきました。しかし、近年の気候変動の緊急性を考えると、これまでの作品の控えめな主張では鑑賞者に伝わりにくいと感じています。 彼は主張が伝わりにくいビジュアル表現だけでなく、直接的なメッセージを加える必要

        • ミッキーマウスの著作権が切れたので、Suno AI で曲を作ってビデオにした。

          2024年の1月1日に公開したいと思って、急いで2023年12月末に作品の概要を書きましたが、1月15日に改めて書き直しました。 作品概要アップデート AIが急速に発展して、デジタルアートの構築方法も大きく変化する時代を迎えています。しかしAIが蓄積している具象のビジュアルデータに、だいぶ古びた感覚を感じています。それとは逆に、AIが作り出した音楽をメディアアートに組み込んだところ、20世紀半ばに登場したポップアートに感じた新鮮さを、現在のアートに取り戻すことができました。

        オルタナティブ・アート・スペースがインターネット上に移行しつつあります。

          気候変動と蜂の激減をテーマに、Suno AI でラップを作ってビデオにした。

          歌詞はネット世界の共通語「英語」を生成AIで作って、少し手を入れています。Suno AI だけでは音楽の完成度が低いので、曲を切り貼りして全体を7分のビデオにしました。 曲とビデオの概要 生態学的脅威により、人間、ミツバチ、その他の種が危険にさらされています。 その影響は生態系だけでなく気候変動にも波及し、生命を維持する微妙なバランスが崩れます。 私たちは生物学的崩壊と気候変動との瀬戸際にあり、地球と人間と生物の関係や価値観を、再評価する必要があります。気候変動の原因の多く

          気候変動と蜂の激減をテーマに、Suno AI でラップを作ってビデオにした。

          AI以降の創造するアーチスト

          Project "Bitwise Splitting and Merging Pixels" プロジェクト「ピクセルのビット単位の分割と融合」 プロジェクトの概要の後に、ビデオがあります。 AIが収集していないデータを作り出すこと データを収集してアートワークを作成する自然言語処理は、最も洗練されたコンピューター言語と言えるでしょう。しかし、AIを使ったステレオタイプの視覚形式の集積に、創造性はないと考えています。これまで人力でそれに近い制作も割と一般的でしたが、ファイ

          AI以降の創造するアーチスト

          「バイナリによる視覚データの音楽的解釈」ポートフォリオ 2021-2022

          2021年から始めた絵画、写真、映画のデジタル・データから、音楽を取り出すプロジェクトのポートフォリオ(2021年から2作品、2022年から10作品を厳選)から、アーチスト・ステートメント、プロジェクトの概要、並びに作品画像をここに載せます。画像のクリックでビデオ作品が開きます。 アーチスト・ステートメント 2022 私は、見ることと聞くことには、関連があると考えてきました。このプ ロジェクトは、コンピューター・アートとしてそれを試みています。 COVID-19 パンデ

          「バイナリによる視覚データの音楽的解釈」ポートフォリオ 2021-2022

          「天使ガブリエルが伝えようとしている」 第15回トゥールーズ国際交流アート・フェスティバル 作品カタログ

          「視覚と聴覚の関連」を追求した、ビデオ・アート「天使ガブリエルが伝えようとしている」の作品概要は、2021年7月31日に書いていますから、そちらを読んでください。 画像データから音楽を取り出すビデオ・アート「天使ガブリエルが伝えようとしている」は、フランス南西部の都市トゥールーズで毎年開かれる「XXV Rencontres Internationales Traverse(第15回トゥールーズ国際交流アート・フェスティバル )」に、2022年4月6日〜30日まで参加して、高

          「天使ガブリエルが伝えようとしている」 第15回トゥールーズ国際交流アート・フェスティバル 作品カタログ

          NFTアートに違和感を持ち続けてきました / 反NFTアート「One Dollar」

          NFTアートが登場してから、どうもモヤモヤと違和感を持ち続けてきました。デジタル・アートをやってきて、最近は画像データを音楽に変換するプログラミングに、ビデオをミックスした作品を作っています。そろそろこのNFTアートの違和感にもピリオドを打ちたいと考えて、反NFTアート「One Dollar」を完成させました。ここに書いた文は、現代のアートビジネスではなく、洞窟絵画から続くアートの価値について書いています。 NFTをアートとする不信感 デジタル・アートの最大の特徴は、繰り

          NFTアートに違和感を持ち続けてきました / 反NFTアート「One Dollar」

          アルゴリズミック・アート 「See Me, Hear Me / 麦わら帽子の自画像」作品概要

          作品はバイナリ(0, 1)をアート素材にして、絵画からアルゴリズムで音楽を取り出す実験アートです(使用言語 LiveCode)。 これは2020年以降出来るだけ外出を控えるようになった、制作環境から発想しています。作品はテーマとする題材の取得から、制作完了までをコンピュータで完結させ、実空間の物質に頼らない構築をしています。 始めにテーマとする絵画を、インターネットで探します。ここでは1887年ヴィンセント・ヴァン・ゴッホが描いた「麦わら帽子の自画像」を選びました。オリジ

          アルゴリズミック・アート 「See Me, Hear Me / 麦わら帽子の自画像」作品概要

          「天使ガブリエルが伝えようとしている」作品概要

          作品はバイナリ(0, 1)をアートの素材として制作した、アルゴリズミック・アートです(使用言語 LiveCode)。視覚と聴覚の関連を追求したこの作品は、15世紀フランドル派の画家ロベルト・カンピンの受胎告知の画像データを音楽に変換、その工程をビデオにしています。また北方ルネサンスの油彩を使った当時の新技術が、大きくその後の絵画史を作った歴史に重ねて、バイナリという新しいアートマテリアルの、未来を切り開く力を探っています。 画像をクリックするとYouTubeビデオが開きます

          「天使ガブリエルが伝えようとしている」作品概要

          アルゴリズミック・アート「伊勢物語・第九段・八橋」作品概要

          作品概要を書くのは、どこかのコンペに出したりすることが多いのだけれど、ほとんど国際メディア・フェスティバルに出しているので、なかなか日本語で書くチャンスがありません。勿論日本語で書いたほうが本当の処、隅々まで思考が及びます。とは言っても、年に1度くらいは日本語で書くチャンスもあって、先日応募できそうな日本のコンペがあったので、書いてみました。日本語で考える、アート史とも複雑に絡み合った内容を600字の制約で書くのはちょっときつい。 画像をクリックするとYouTubeビデオに

          アルゴリズミック・アート「伊勢物語・第九段・八橋」作品概要

          バイナリーはアートマテリアルである 5   (画像から音楽を作るひとつの方法)

          「20世紀初めロシアの作曲家スクリャービン」に関して書いています。「ロシア」「ウクライナ」に関する記述は一切ありません。 これはドラフトです。 最終稿は http://kenjikojima.com/BinaryAsArt/ 作品コンセプト「テクノ共感覚(Techno Synesthesia)」 ここまで技術的な面を書いて来ました。技術は作品コンセプトを支えるためのものですから、コンセプトの面から少し書いて終わりとします。 「テクノ・シナステージア(テクノ共感覚)

          バイナリーはアートマテリアルである 5   (画像から音楽を作るひとつの方法)

          バイナリーはアートマテリアルである 4   (画像から音楽を作るひとつの方法)

          これはドラフトです。 最終稿は http://kenjikojima.com/BinaryAsArt/ ビデオ画像から音楽を取り出す「Techno Synesthesia」 ビデオは静止したフレーム画像の連続で動きを表現しますから、短い映像時間でも膨大な量のデータを用いています。RGB Musicのように1フレームのピクセルを左から右下まで読み込んでは、1つの短いビデオでも何百時間どころか何ヶ月という、音楽の長さになってしまうでしょう。プロジェクトはそのための、時間軸か

          バイナリーはアートマテリアルである 4   (画像から音楽を作るひとつの方法)

          バイナリーはアートマテリアルである 3   (画像から音楽を作るひとつの方法)

          これはドラフトです。 最終稿は http://kenjikojima.com/BinaryAsArt/ 画像を暗号モザイクに 音楽鍵で元の画像に「CipherArt」: 2進数の1桁ごとに真偽を演算するこの方法が、バイナリーを「0,1」とイメージしている人には、最もアートマテリアルのように見えるかもしれません。 人間の感覚は外界に取り巻く情報を、感覚器官の機能によって分割して現実世界として把握しています。典型的な2つの情報として視覚と聴覚があり、 その他一般的に皮膚感覚

          バイナリーはアートマテリアルである 3   (画像から音楽を作るひとつの方法)

          バイナリーはアートマテリアルである 2   (画像から音楽を作るひとつの方法)

          これはドラフトです。 最終稿は http://kenjikojima.com/BinaryAsArt/ 画像のピクセル・データを音楽に変換「RGB Music」: 「RGB Music」は、2007年に私自身が開発したコンピュータ・アプリケーション「RGB MusicLab」から作られます。アプリケーション「RGB MusicLab」は、ピクセルの3つの色彩値(Blue, Green, Red)0から255を、画像の左上から横に右下まで読み込んで、12音階の音符に自動

          バイナリーはアートマテリアルである 2   (画像から音楽を作るひとつの方法)