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オルタナティブ・アート・スペースがインターネット上に移行しつつあります。
ここ数年、インターネット上でのアートエキジビションが増えて、私自身のエキジビションも、今年は約70%がオンライン、20%が物理的なスペース&オンラインの同時開催です。アートビジネスではない、実験的なオルタナティブ・アート・スペースが、インターネット上に移ってきているので、AIが出してきた資料も参考に、その傾向について大雑把にまとめてみました。
オルタナティブアート・スペースについては、美術手帖のARTWIKI が参考になります。
添付したイメージは、私のビデオ・アート作品「Decodeing Chaos Colors of Noh Dance Prelude」です。 このビデオはネット上の某オルタナティブアート・スペースが提案する、「女性ビジュアルアーティストへのトリビュート」というテーマに応えて制作されました。上村松園(1875年 - 1949年)は、主に美人画で知られた日本画家です。
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Bitwise Splitting and Merging of Pixels
Noh Dance Prelude 48x27 / Uemura Shoen / 2:00
デジタル技術の進化とアクセスの拡大:
デジタル技術の急速な進化(高画質な画像や動画の配信、VR/AR技術の進歩など)で、物理的な場所や作法に依存せずに、広い範囲の観客に作品を届けることが可能になっている。
パンデミックによるオンラインシフト:
COVID-19で多くのアートスペースやギャラリーが一時的に閉鎖されて、オンラインにシフトする動きが加速された。パンデミック終息後も、オンライン・エキジビションはその利便性やグローバルなアクセスのしやすさから継続している。
オルタナティブアート・スペースと実験的アプローチ:
テクノロジーを活用した作品は、オンラインプラットフォームでの展示がより自然に感じられ、物理的なスペースに制約されることなく、多くの観客に対して自由で実験的な表現がより可能になった。
グローバルな観客へのアクセス(アートの民主化):
ギャラリーや美術館といった特定の場所に限られていたアート鑑賞から、新しい技術で作られたアートが、どこでも誰でもアクセスできるようになり身近な存在になってきた。既存のアート界の外にいる新しいオーディエンスが参加しやすい多様性が増している。
若年層のオンライン化:
スマートフォンやSNSの普及により、オンラインでの情報収集やコミュニケーションが主流となって、音楽・映像等の鑑賞もオンラインに移行している。ポップ&エンターテイメントのカルチャーが変わってきたことに伴って、社会情勢や価値観も変わりつつある。
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Mother and Child 56x31 / Uemura Shoen / 2:00
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Mother and Child 56x31 / Uemura Shoen / 2:00
まとめ:
インターネット上でのアートエキシビションは新たな可能性をもたらして、従来のアートシーンを大きく変えつつあります。時間や場所の制約がなく、誰でも気軽にアートを楽しめるようになったことで、普通の人がオルタナティブ・アートに気づくチャンスが増えつつあります。今後も、テクノロジーの進化とともに、アートの表現方法も大きく変化していくことが予想されます。これにより、アーティストや観客にとってのアート体験はより多様でグローバルなものとなり、物理的な制約を超えた新しい形のアートスペースが生まれています。今後もこの傾向は続くと考えられ、近代物質主義から現代に続く、アートの定義や価値が再評価されることになるでしょう。
ネット上のオルタナティブ・スペース:
2024年に私が関わった常設しているネット上のオルタナティブアート・スペース。
New Media Artspacem ニューヨーク市バルーク大学主催
2024年 ripples
ALL STREET ニューヨーク市にある物理的なスペース2ヶ所に併設するネット上のスペース
2024年3月 https://allstnyc.com/virtu-all-march
FSS – foundation screening series ドイツ・ケルン市に本拠を置くビデオ団体
DIGITAL VIDEO ART INTERNATIONAL STREAMING FESTIVAL ウィーン・オーストリア
2024年 The Anthropocene Project
その他プロジェクト毎のスペースも、検索すれば見つかります。私は参加が有料な所とはコンタクトしません。