「自省録」を読んで響いたところベスト5
マルクス・アウレーリウス著
神谷美恵子訳 岩波文庫
【本の紹介】
何年経っても人の悩みや大切なことは変わらないと認識できる本であり、ローマ皇帝であれど、同じ人間的な悩みがあるんだなと感じ取れる作品です。
当時のローマのトップにいる存在で、立場は違えど今も昔も悩みはそこまで変わらないですね。
ローマ皇帝の悩みや自己啓発的な一面に人間味を感じ、人生の学びにもなる本です!
【人物】
アウレリウス・アントニヌスは、2世紀後半、五賢帝の5番目の皇帝で、ローマ帝国最盛期の皇帝であるとともにストア派の哲学者でもありました。
40歳の時、皇帝を継承し(~180年まで)、このとき、同じく先帝の養子で弟にあたるルキウス=ウェルスを皇帝と同じ権限を与えているので形の上ではローマで最初の二人皇帝制でした。
ストア派の哲学者の皇帝と言うので「哲人皇帝」と言われました。
『自省録』は皇帝となってからも人間としての生き方を忘れず、自分自身への振り返りと反省を習慣的に続けたあとを読み取ることができます。
【印象に残った言葉トップ5】
★1位★ P26 自分を大切にする
『せいぜい自分に恥をかかせたらいいだろう。恥をかかせたらいいだろう、私の魂よ。自分を大事にする時などもうないのだ。めいめいの一生は短い。君の人生はもうほとんど終りに近づいているのに、君は自己にたいして尊敬をはらわず、君の幸福を他人の魂の中におくようなことをしているのだ。』
(気づき・学び)
自分が幸福かどうかは自分が決める。自分が自分の人生に満足しているのであれば、そこに人からの評価は関係ない。
また、人生はあっという間に過ぎ去るので、恥ずかしいからチャレンジしない、みんなに悪く思われたくないから何も行動しないなどはもったいないですね。まずは興味があればやってみる。
最期の瞬間に後悔することなく、生きたいですね!
★2位★ P54 自分軸を持つ
『君に害を与える人間がいだいている意見や、その人間が君にいだかせたいと思っている意見をいだくな。あるがままの姿で物事を見よ。』
(気づき・学び)
他人の言うことに振り回されず、自分自身で物事をしっかりと見ることが大切です。
現代はニュースやネットであらゆる情報が飛び交っていますが、それはその情報を発信した人のひとつの解釈にしか過ぎないことが多いです。
★3位★ P138人格と死生観
『完全な人格の特徴は、毎日をあたかもそれが自分の最後の日であるかのごとく過ごし、動揺もなく麻痺もなく偽善もないことにある。』
(気づき・学び)
毎日今日が最後だと思って生きる。そして、今日が最後だとしたら、何をしたいか。それが明確になってくると人として強く、大切なことを大切に生きることができてくるのではと考えます。
余命宣告をされて人生が密度の濃いものに変わったという話もネットで読んだり、テレビや動画などでもよく聴いたりしますが、
実際にあと1週間でこの世を去るとしたら、今していることはやりたいことかどうかを考えるきっかけにもなります!
限られた時間で、自分は何を大切にしたいか考えることは続けたいと思いました。
ジャック・ニコルソンさん、モーガン・フリーマンさんダブル主演の「最高の人生の見つけ方」や黒澤明さん監督で今リメイク版が上映されている「生きる」など余命をテーマにした映画から生き方について学べることが多いです!
★第4位★ P94 良い復讐の方法
『もっともよい復讐の方法は自分まで同じような行為をしないことだ。』
(気づき・学び)
人からされて嫌だなと感じたことは他の人にはしない。自分もまだまだですが、できていない人は多いと思います。
謎ルール、前例踏襲の悪い慣習など真っ向から全否定はやり過ぎかも知れませんが、自分達が大変な思いをしたから君達も味わいなさいというような社会のルールも存在していることは確かです。
やられて嫌だったことは他の人にはやらない。それを少しでも実践していければと思っています!
★第5位★ 人間関係と怒り
P184『他人の厚顔無恥に腹の立つとき、ただちに自ら問うてみよ、「世の中に恥知らずの人間が存在しないということがありうるだろうか」と。ありえない。』
P200 『他人の過ちが気に障るときには、即座に自ら反省し、自分も同じような過ちを犯してはいないかと考えてみるがよい。』
(気づき・学び)
誰だって苦手なことや失敗することがあります。
犯罪などは別ですが、人間誰だって失敗することはあると心に留めておくことで、人の失敗に少しでも寛容になれるのではと思います。
また、人の振り見て我が身を振り返るという思考も大切ですね。
様々な内容が書かれている作品です。
一度手に取って、気になるところを読んでみるのも良いかなと思います😊
yoshi