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青い祈り

目が覚めれば独り切り。
朝の光が輪郭を滲ませていた。
昨日の残像を思い出すのは
夢から覚めた悪夢。
瞼の裏に色が継ぎ足されていく。

押さえつけながら始まる朝。

目を閉じても独り。
月の光が熱帯夜を運んでいた。
寝言で呟く祈りの言葉。
縋り付き引き摺る長い影に怯える。

それでも生きている私。

もうすぐ会えるから
待っていてねと笑う。
月の光は太陽だと知らずに。

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