シェア
河原 真宙
2022年7月7日 11:16
このまま無口に追えば良かった。自由に見つめているだけで良かったのに。いつしか知って欲しいと願ってしまった。あのまま知らずに逃げていれば良かった。砂時計を逆さにしても時間が経つのを愛しく思えて次第に暮れる窓にカーテンを敷く。映らない幸せを信じ過ぎて涙が溢れて砂が乾く。惨めに夜目覚めカーテンを捲る。暗闇に浮かぶ私を愛しく思う。独りよがりの幸せを掻き集め手の平の砂を弄び朝を待