憧れて東京
このまま無口に追えば良かった。
自由に見つめているだけで良かったのに。
いつしか知って欲しいと願ってしまった。
あのまま知らずに逃げていれば良かった。
砂時計を逆さにしても
時間が経つのを愛しく思えて
次第に暮れる窓にカーテンを敷く。
映らない幸せを信じ過ぎて
涙が溢れて砂が乾く。
惨めに夜目覚めカーテンを捲る。
暗闇に浮かぶ私を愛しく思う。
独りよがりの幸せを掻き集め
手の平の砂を弄び朝を待つ。
どこにも行けない東京の夏。
私は東京の風に揺れていく。
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