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河原 真宙
2022年7月5日 16:49
夜を見つめる幼い目。強く手を握り怯えている。暗いのが怖いわけではない。別に誰を頼るわけでもない。口笛が高く切り裂く道の途中。どちらも正しい別れ道がある。夜が明けるのを見つめる幼い目。時間ではなく太陽を待っている。怯えているのではない。逃げない様に捕まえていた。迷子になった私は声を高く響かせ繋いだ手から溢れた汗を拭う。どちらも正しい別れ道。それでも私は選べない。