夜の誕生日
夜を見つめる幼い目。
強く手を握り怯えている。
暗いのが怖いわけではない。
別に誰を頼るわけでもない。
口笛が高く切り裂く道の途中。
どちらも正しい別れ道がある。
夜が明けるのを見つめる幼い目。
時間ではなく太陽を待っている。
怯えているのではない。
逃げない様に捕まえていた。
迷子になった私は声を高く響かせ
繋いだ手から溢れた汗を拭う。
どちらも正しい別れ道。
それでも私は選べない。
夢から覚めない私の横で
幼いあなたが私を見つめてる。
闇を見る目で見つめてる。
胸を探り生きようと這い上がる。
私は笑いながら立ち上がる。
私だけ立ち上がる。
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