【はじめに】ジェーン・オースティン作品に見る、摂政時代のクリスマス
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世界的に有名なクリスマスをテーマにした小説と言えば、やはりディケンズの『クリスマス・キャロル』を思い浮かべる人が多いのでは。
ところで、ディケンズと同じイギリス出身の作家で、出版されたすべての作品に「クリスマス」というワードが出てくる作家をご存知でしょうか。
それがこの方、ジェーン・オースティン。
ディケンズより一昔前の摂政時代(※)に活躍した女性作家です。
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かの夏目漱石は、著書『文学論』の中でオースティンに関してこう述べています。
また文芸評論家の山本健吉はもっと短い言葉で
「世界で一番平凡な大作家の一人」」
と表現しています。
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イギリスの片田舎にある牧師の家に生まれたオースティン。
彼女は、自分の目で見聞きしたことだけを小説にしました。
故に、作品の主要な登場人物は皆イギリスの地方に住む中流階級(アッパーミドルクラス)の面々。
その内容も,ご近所同士のピクニックや舞踏会など当時の中流階級にとってはありふれた話題ばかりです。
騎士もデンマーク王子も出てこないし、小人の国はもちろんフランスやイタリアと言った外国が舞台になることもありません。
先にご紹介した両者が揃って「平凡」という評価をしているのも頷けるでしょう。
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さて、そんな平凡がウリ(?)のオースティン。
牧師の娘ということもあり、クリスマスも当然身近な話題のひとつでした。
出版された小説全てに「クリスマス」というワードが出てくるのも納得ではないでしょうか。
(余談)
オースティン作品の「クリスマス」という言葉が出てくる回数ランキング↓
今回は、そんなジェーン・オースティンの小説を参考にしながら、当時のリアルなクリスマスに迫ってみたいと思います。
12月1日から22日まで、毎週日曜日に投稿予定です。
ご興味を持って頂けたら、シュトーレンを食べるようにちびりちびりとご覧頂けると嬉しいです。
《おまけ》
卒論テーマをジェーン・オースティン作品にしようとして「少女マンガみたいじゃない」と言われた話はこちら↓
参考
ジェイン・オースティン (中公新書)
大島一彦著・1997.1.1