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自分自身の防災を見つけよう

 様々な経歴の方々で構成されている株式会社フェリシモの防災プロジェクトを検討しているチーム(以下、防災チーム)に取材しました。被災地神戸の企業で、防災にも積極的に取り組みながら働く人の話を聞きたいと思い実施しました。フェリシモは阪神・淡路大震災以降、神戸学校というメッセージライブ(講演会)を神戸発未来への「経験と言葉の贈り物」というコンセプトのもと行っています。神戸学校での収益金は全額「あしなが育英会」を通じて東日本大震災遺児支援に活用されています。 この 記事を読んでくれた人に伝えたいことは「自分自身の防災を見つけよう」です。防災チームの方々が経験してきたことから防災に活きてくるもの、感じたものに注目です。私自身の思いや考えにも触れてほしいです。

阪神・淡路大震災が発生した際に感じたこと

 当時大学院生だった市川さんは、復興していくまちの様子を見て、それらに関わる大人のことを素直にかっこいいなと思ったようです。文系の学部で、将来は研究者になりたいと考えていましたが、被災をきっかけに「目の前にいる人たちをしあわせにする仕事をしたい」 と思ったことが、のちにフェリシモと出会うターニングポイントになりました。当初は何をしたいかと言われるとはっきりしていなかったようですが、芯の通った“日々を彩る豊かさ”に触れていたいという思いはあったようです。フェリシモに対して美しいものが好きそうと感覚的に感じたとのことでした。市川さんが被災をきっかけに感じたものとフェリシモの方向性はとても近しいものだったということです。

今までの軌跡、取り組みをはじめたきっかけ 

 フェリシモで働きたいと思ったきっかけや学生時代の実体験をお話してくれた松岡さんは、「みんなの生活のなかにしあわせな瞬間を増やしたい」という思いを胸に抱いて仕事をされています。お話のなかで「被災というのは、私達の日常の延長線にあるもの」という話がありました。これらは学生時代に被災者と関わったことで得た気付きでした。いつ起こるかわからないものを日常の延長線にあると考えることは安易なことではないですが、松岡さんが大事にされていることの一つです。日常の延長線上というワードは何事にも通じる気がしました。

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震災や関連する取り組みを体験して学んだこと

 フェリシモの人気商品を開発中の出来事やそこから学んだことをお話してくれた武智さん。「あたりまえってあたりまえにできるわけじゃない」という言葉が印象に残っています。日常生活はあたりまえだと思い込んでいる事柄で溢れています。日常生活のあたりまえが突然あたりまえじゃなくなったことを想像するだけでゾッとしますが、実はいつそうなってもおかしいことではありません。普段からあたりまえに出来ることに対して疑問に思うことやその逆のことを考えてみることで防災にも活かせる気がします。たとえば、私が疑問に思うのは、「1日でどのぐらいの量の水を使うのだろうか」、「これを買えば大丈夫みたいな防災グッズあるけどほんまに大丈夫なんかな」とかとか。

阪神・淡路大震災を知らない世代の人たちへのメッセージ

 取材の場を円滑にフォローしてくれた基金事務局ご担当の湯本さん の「勉強もそうですけど楽しい、遊びながらの方が頭のなかに入ってきやすいですもんね」との言葉に大共感でした。私自身、何事も楽しく遊ぶような心持ちで行うことに越したものはないなと思っています。楽しいを求めすぎたがために誤った情報が共有されてしまうことは避けたいなと思いながらも。防災というものは丁寧に扱うべきものですが、日常の中に溶け込ませることを目標に、まずはハードルを下げたいなと思っています。

感想、思い、学び

 今回の取材では防災チームの方々が、防災に関わる仕事をはじめたきっかけや、防災に対する思いから学生時代に熱中していたこと、若者に伝えたいことなどについて幅広く話を聞くことができました。そのなかでも特に気になったことは「被災者という括りで固めてしまうのはよくない」という話です。その話には私が高校生の頃、被災地でボランティア活動した際に感じた「良い違和感」と重なるものがありました。「良い違和感」とは、「現地の被災者の人たちは私たちと何ら変わりのない普通の人間。被災は特別な経験ではなく私たちの日常の延長線上にある、いつでも起こりうるもの」ということです。いつ何が起こるか予測できる人もいるかもしれませんが、私にはできません。いざというときに自分の命を守れるように、常に防災を意識する必要があると思いました。防災は、ビクビク怯えながら取り組むものではないと思うので、何気ない日常の中で無理せず気負わずに防災のことを考えていきたいです。(何が正解かは決めきれないなとも思いながら)。

 また、防災以外にも仕事や考え方について様々な話を伺いました。取材の中で「世間一般的には失敗として捉えることも逆転の発想として利用する」姿勢や「終わりよければすべてよしと考える」発想などを聞き、「何事も失敗を恐れず果敢にチャレンジすること」が一 番大事だと強く思いました。本や雑誌で同じような言葉に出会ったことはあっても、ここまで自分自身の気持ちが変化したことはありませんでした。「しあわせをデザインする会社」で働く人ならではの前向きなスタイルに違いないと思いつつ、私自身もフェリシモで学んだ考えを大事にしていこうと思います。

 最後に今後の抱負を宣言します。少しずつですが私自身の防災に対するイメージがまとまりつつあるので、それらを具体化し自分自身と周囲の人の命を守れるようにします。私が防災クイズやグッズの話をしたときは、ゆるくで良いので聞いてもらえたら、とても嬉しいです。無理せず肩の力を抜いて、楽しく面白く防災を心掛けていきましょう。

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