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医者の『あるひと言』で子育て観が決まった
長男を出産して3ヶ月たったある日のこと。三種混合の予防接種を受けるために、小児科へ行きました。
まだ産後3ヶ月といえば、やっと赤ちゃんのいる生活と、自分の暮らしのペースが掴めてきた頃です。
まず、赤ちゃんの様子を診て、その後予防接種が受けられるか判断され、ようやく受けられる流れなのですが…
女医さん『母子手帳の平均値に、赤ちゃんの体重のってないですね〜。おっぱいだけ?よく飲んでる?足りなくて泣いたりしてない?』
わたし『はい、よく飲んで、ご機嫌です』
こんなやり取りがあった後、この医者の『あるひと言』で子育て観が決まりました。
女医さん『ちょっと痩せすぎで、難民の子どもみたいなのよ』
わたし『え…あ、はい。』
まだ1人目を産んだばかりで、子育てに関して知識がなくて、反論すらできなかったあの日。
今思い返しても、はらわたが煮え繰り返る思いです。
『体重の増加が少ない』とだけ言えばいいのに、それを難民の子どもみたいと表現する必要ありますか?
実際に、難民の子どもたちの視察でも行ったのでしょうか。難民エリアで、医者として働いていた経験があるのでしょうか。
発言に至るまでの過去の経緯はわかりませんが、どちらにしても、わたしの心は傷つきました。
ちょっと話はそれますが、
実際に、わたしは、難民キャンプエリアに行ったことがあります。
学生時代にロスに留学していた時に、ご縁でメキシコ人の奥さまをお持ちの、日本人男性のご自宅にホームパーティーに呼ばれました。
そこで、メキシコに行ってみたら?と提案されました。
学生時代の当時、環境学を学んでいました。
華やかなイメージのあるメキシコではなく、環境的に真逆のエリアもあるので、環境学や日本とは全く違う世界の情勢を知る、良い経験になるよとそう言われ、翌日メキシコに向かいました。
初めて国境を越えるため、陸続きなのに、パスポートを見せて入国する経験。
車内からみる華やかな景色を過ぎ、どんどん砂埃まみれの場所へ走っていきました。
着いてみた場所は、難民キャンプ。視察するため車を降り、エリアに入るのに少し歩きました。
そこでみた光景に、わたしはすぐに自然と涙がこぼれていました。
ものすごい暑さなのに、靴を履いてない子がほとんど、洋服がなくて裸で歩く小さなヨチヨチしてる子。お腹は、栄養失調で破裂しそうなくらい膨らんでいるのに、手足、首は細々としてある。大人も一枚布をかけているような、そんな状況でした。
一緒に行ってた先生を始め、メンバーが「つばさちゃん、涙が出るってことは、日本がどれだけ恵まれているか、わかったのかな」と。
そう言われている最中、小さな子たちが足元に集まってくるのです。
何か欲しい、何か食べるものはないか、お水が飲みたい…と、そう言うのです。
何も持っていなかったし、持っていたとて、全員に行き届くほど何かを分けてあげることすらできない。
無力すぎて、何もできない自分にも悔しくて、涙が止まらなかったです。
さて、話を戻すと。
この学生時代の経験があるので、女医さんの一言が、心底キツかったのです。
今、息子とわたしの置かれている状況は、家もある、着るものも、食べものも、お風呂もある。
あの難民キャンプの子どもたちとは、180度違う環境下なのに、『難民の子どもみたい』と言われた悔しさ。
悔しくて、わたしが出逢った子どもたちを思うとさらに悔しくて、自宅に帰ってからも、3ヶ月の息子を抱えてひたすら、泣きました。
あの時
『母子手帳は、参考程度。誰になんと言われても、受け入れすぎない。息子を守るのはわたし。』そう決意しました。
平均値より少し細めかもしれないけど、
◎元気
◎よく手足を動かす
◎よく笑う
◎よく喋る
◎おしっこもウンチもよく出ている
以上からして、育ちには問題ないはず。
数字だけみて判断した女医さんには申し訳ないけれど、あの病院には、それ以来一度も行ってません。
誰かの情報で比較して、振り回されてる暇があるなら、
目の前のわが子を見ていれば、自然と答えは出ています。
どうか、子育て世代の皆さまが、100人いたら100通りの子育て観で過ごせますように。