GUCCI COSMOS を観て~京都市京セラ美術館~
ブランドには疎い方なのですが、グッチは、2021年公開のリドリー・スコット監督の「ハウス・オブ・グッチ」が創業者一族の愛憎の凄い映画だったので、実話であり、今もレデイ・ガガの演じだパトリツイアは収監されているという(よく映画化許可したなあと)内容だったので、気になるブランドでした。
芸術品はもちろん作品が全てですが、作者やその意図、歴史を知っていたら、さらに評価に深みが加わることもあると思っています。今回、上海、ロンドンに次いで、世界で3番目、日本では初の京都でのグッチ展。
負の歴史を感じさせない、新しさを前面にだした展示は魅せ方が上手く、洗練されていました。
学芸員さんから違っていました。普通の美術展では、中年の女性がパイプ椅子に座って各部屋ごとにいる、といった光景ですが、この会場、長身の若い男性が黒のスーツ姿で立っています。グッチの靴を履いて。そして、観客の質問に丁寧に答えたりしていました。美術展というより、グッチの旗艦店にいる感じです。
中学生以下無料、京都市内に通う高校生、大学生も無料といった企画もグッチの裾野を広げるにはいいなあ、と思いました。
QRコードから、無料で音声ガイドを聴ける仕組みも初めてで、平日のお昼からでしたが、少し混雑しており、軽い入場制限ありました。
~6つの部屋~
美術展は6つの部屋に分かれていました。
①時の迷宮 ②乗馬の世界 ③クリエイティビティの系譜 ④ライフスタイル賛歌 ⑤バンブーの世界 ⑥グッチの絆
①では、同心円上に陳列され、引き出しを多用し、見学者が引き出しの中を観れるのは新鮮でした。ファッションショーの映像やショートフイルムも。
②では、乗馬からインスピレーションを得て生まれたグッチのデザイン。③では、グッチ100年の歴史。④では、美術館所蔵の絵画やゴルフ道具とグッチのコラボレーション
⑤では、グッチの真のアイコンであるバンブー。京都の竹から着想を得たバンブーハンドルのバック類を。VR体験もできました。⑥では、レッドカラーからの絆。
グッチの展覧会は魅せてくれました。斬新なデザインを上手く配列して、既存の絵画展のように掛かっているだけでなく、いろんな趣向をこらしていました。同心円の陳列、引き出しの多用、VR体験、ショートムービーなど。そして、グッチが日本の開催を京都、京セラ美術館にしたのは、京都とフィレンチェの姉妹都市、嵯峨野の竹から着想をえたバンブーバックの縁などに加えて、京セラ美術館の荘厳な建築物も要因のひとつだったのはないかしら、と思ってしまいました。威厳ある建物を上手く利用され、ラグジュアリーな空間を演出していました。束の間、普段の生活、喧噪を忘れてしまう時間を頂けました。
#美術館 #美術 #グッチ #ハウスオブグッチ #京都市京セラ美術館 #絵画 #バンブーバッグ #乗馬 #GUCCI #イベントレポ
#最近の一枚 #学芸員 #芸術の秋