わたしの本棚137夜~「平城山(ならやま)」
西谷剛周先生率いる俳句結社「幻」は奈良を拠点とする、アットホームな結社です。「船団」の坪内先生と「幻」の西谷先生が仲良く、レンゲ句会などの合同句会や貞徳俳句大会などをご一緒させていただきました。そんな「幻」の編集委員であり、吟行の幹事として活躍する髙木泰夫氏の第一句集です。発行所も幻俳句会とあり、句集シリーズ5とあります。
☆「平城山」 髙木泰夫著 幻俳句会
序文を西谷剛周先生が書かれています。傘寿を越えているとは思われない若さあふれる髙木氏は、人間の本質を見る観察眼とそれをユーモアたっぷりに表現する力にたけているという評で、幻俳句の新しい分野を示す句集だと紹介されています。裏表紙には、二百七十句の中から、西谷先生が選んだ十句も載っています。
あとがきによると句集の題名の「平城山」(ならやま)は、実在する山の名前ではなく、髙木氏が住む地域、かなり古くからの地名だそうです。俳句の他に、エッセイも収録されており、靴をめぐる悲喜こもごもの文章には、読んだあと、ほっこり温かい気持ちになりました。好きな5句です。
☆花柄の傘干されいる花曇
☆陽炎に躓いている伊賀忍者
☆秋天を駆ける志功の女たち
☆寒林明るい場所を知っている
☆穀蔵の出る局面と違うやろ
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