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わたしの本棚87夜~「痛くない死に方」

 死ぬ日がわかっていたら、ある面、幸せだと思います。逆算して、毎日を使い、お金を使い、死ぬまでの段取り、死んでからの段取りができるからです。どうやって死ぬかがわかっていることも幸せです。できれば、家族に迷惑かけず、ぴんぴんころり、と死にたいです。病床で苦しんだり、たくさんの管に繋がれて死ぬのは、想像するだけで滅入ります。

 関西地方では、3月5日から、この本を原作にした高橋伴明監督「痛くない死に方」が封切られます。3月中旬、運よく都合つけば、原作者の話を聴けるよという友人の薦めもあって、この本を購入して読み始めました。

☆「痛くない死に方」 長尾和宏著 ブックマン社 1000円+税

 2000人を看取った長尾医師が明かす、苦しくない人生の終わり方。

 平穏死という視点から、「痛くない死に方」について、語られます。

 ある葬儀屋さんの言葉「自宅で平穏死した方のご遺体は軽い。大学病院で亡くなられた方のご遺体は重いです」実は、枯れて死ぬ最期(平穏死)と溺れて死ぬ最期(延命死)では、10キロ以上の体重差があると語られます。

 第1章では、大橋巨泉さんの死に際が具体的に描かれ、第2章では、平穏死の考え方、第3章では、平穏死の具体例、第4章では、平穏死10の条件が書かれています。特に印象深いのは、医療用麻薬は普通の麻薬と違って、中毒にならず、死期を早めず、最期に使う薬ではない点。癌末期では、点滴200ミリで十分に栄養とれる。胸水、腹水は抜かずに利尿剤で待つ。お餅が喉に詰まったとき救急車を呼ぶとどうなるか、といった点でした。また、第3章の20代の癌患者の在宅での死に方には涙、涙でしたし、これからの在宅医の在り方は考えさせられました。

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