わたしの本棚5夜~「しらふで生きる」
台風が来ています。どうか日本列島からそれて、被害がありませんように。
町田先生は3年前から大阪女性文芸賞の選考委員を引き受けてくださっています。中沢先生とともに、真摯な選考と助言には、毎年感謝しています。
☆「しらふで生きる」町田康著 幻冬舎 1500円+税
面白かったです。30年間飲み続けてきた町田先生が、突然お酒をやめる、やめたことにまつわるあれこれのエッセイです。古代の酒豪大伴旅人の13首の歌に始まり、自作の歌へと。幾度となく笑ってしまい、独特の文体は顕在で、哲学的でもあり、生きることが少し楽にもなります。
町田先生といえば、ロッカーでもあり、大酒飲みのイメージがあったので、食事会でお酒は飲まれないのが意外だったのですが、本を読んで納得しました。酔う、ということに溺れなくても、この世はそんなものだと思っていたら・・・。酒を飲んでも飲まなくても人生は寂しい、という最終章で述べられている「人生の余白、余裕」の考えに賛成です。本当、余裕のある人、余裕ある人生を歩むこと、それは、すなわち人生を豊かに生きることだと強く思いました。
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