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わたしの本棚

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2021年5月の記事一覧

わたしの本棚第108夜~「大阪のお母さん」

わたしの本棚第108夜~「大阪のお母さん」

 大阪女性文芸賞という公募の文学賞があります。受賞後も書き続けて、出版されて活躍されている方もいます。今回の、葉山由季さんもそのひとりです。この本は、女優の香川京子さんへの取材をはじめ、多くの文献や取材に基づいて、独自の浪花千栄子さんを描いて力作です。帯は、宮本輝氏です。

☆「大阪のお母さん」 葉山由季著 潮出版 803円 

 NHK朝ドラのモデル「浪花千栄子」さんの一生です。ただ、朝ドラをず

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わたしの本棚107夜~「シーグラス」

わたしの本棚107夜~「シーグラス」

 人気者俳人であり、スイーツ王子俳人であり、猫好き俳人である金子敦氏からご恵贈いただいた第六句集です。「シーグラス」とは、ガラス片が波に削られて角が取れ風合いもすりガラスのようになったものだそうです。青がきれいな、涼を感じる美しい装丁になっています。栞は、仲寒蝉氏で、「この美しい句集の渚を散歩しよう」とあるように、どのページにも、美しい俳句が並びます。

☆「シーグラス」 金子敦著 ふらんす堂 2

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わたしの本棚106夜~「あの句この句」

わたしの本棚106夜~「あの句この句」

 「船団」最後のアンソロジーです。会員全員が自選5句と「私と俳句」のエッセイを載せています。上手な俳句、面白い俳句、楽しい俳句、美しい俳句。坪内稔典氏、池田澄子氏をはじめ、いろんな人のいろんな俳句が載っています。

☆「あの句この句」現代俳句の世界 創風社出版 909円+税

 200人以上の人の俳句が1冊に載っています。先輩や句友の俳句を紹介しようと思い、選びかけましたが、10数句に収めるのは大

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わたしの本棚105夜~「隣の駅が見える駅」

わたしの本棚105夜~「隣の駅が見える駅」

 この春、ご恵贈いただいた句集です。鮮やかな黄色が綺麗で、ぱっと目をひく装丁です。甲南高校国語教師をはじめ、元船団の会副代表などのたくさんの顔を持つ著者の第三句集です。帯に~平成を駆け抜けた「船団」時代を総決算。初夏というよりは「惜春」を思いたい。初秋の風を身にうけながら「夏の果て」に心を寄せて~とあります。

☆「隣の駅が見える駅」塩見恵介著 朔出版 1800円+税

あとがきによると、句集のタ

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