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【詩】ばなーな

しょぼくれた背中じゃだめーだ
君が覗く背中だもの
追いかける背中だもの

まみれた手の平じゃだめーだ
君と交わす手の平だもの
心を渡す手の平だもの

格好悪くても
みっともなくても
胸を張って
ピカピカの手で

歩いていくーさ
歩いていくーさ

当たり前に君は死んだけど
僕より先に死んだけど
死骸になっても
幽霊になっても
記憶になっても
記憶が風化しても

ブドウ目が見ていた
背中のことを
分け合って食べた
バナナのことを

多分ずっと覚えてる

格好悪くても
みっともなくても
胸を張って
金ピカの手で

鼻の先の背中のことを
鼻の先のバナナのことを

僕はずっと覚えてる

いつかバナナの木を植えよう
ばなーなの木を植えよう

いつかまた
分け合って食べよーよ

ばなーなを食べよーよ

もしも もしも
生まーれ変わって
輪廻転生なーんてして

人でも
獣でも
虫けらでもなくて

ばなーなの木になったなら
なんだか可笑ーしな話だねぇ

ブドウ目が見ている
あの視線は生きている

胸を張って
歩いていくーさ
金ピカの手で
歩いていくーさ

Words:Towl Yoshiyuki

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