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私は鳥の心配をしている場合じゃない

出勤途中の空。
大量の小鳥。
はぐれる小鳥。
ぐるぐる回る小鳥の集団。
そのうちはぐれた小鳥が元の集団に少しずつ戻り、
残り1匹になった。


秋が、多分終わった。
冬が始まった。
私の暖かさで窓が曇る。

どうしようもないことばかりが頭を回り、思考に絡まる。
解けなくなった思考は処分に困る。
どうしようもないことほど、捨てられない。
大切なものは捨てられない。

強い風で、前髪も後ろ髪も、横髪もおくれ毛も、どれがどこに所属していたかわからなくなる。そんな感じの言葉を見た。素直だと思った。

私は雨の日が好きだけど、嵐の日はもっと好き。雷がすごい日、雨が屋根を叩きつける音、地に勢いよく落ちて跳ねる水。

理由は「かっこいいから」。
それでいいことを''くどうれいん''さんの本が教えてくれた。

もっといろんな気持ちを素直に感じればよかった。

素直は1番のゴミ箱かもしれない。


最後の1匹、はぐれた小鳥も元いた集団に集まって近くのスーツの青木のてっぺんにみんな揃ってとまった。

信号が変わる。
前にはトラック。
今日もまた、今日が始まる。

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