エッセンシャル思考を身に付けるための第二ステップ【「重要な少数」が「多数な瑣末」に勝る】
こんにちは!
最近社内向けに学習の機会提供としていろんな情報を発信しています。
その中で、エッセンシャル思考という本についてまとめていたので、そのまとめをお話ししていこうと思います。
エッセンシャル思考という本は、シリコンバレーのコンサルティング会社CEOのグレッグマキューンという方が書いた思考法に関する本です。
本書では、最小の時間で成果を最大にするために何を重視して、どう行動すべきかが書かれています。
内容をざっくり言うと、『僕らが日々行っている仕事のほとんどはやらなくてもいい無駄なものばかりであり、その無駄なものに力を入れすぎていて、本当に力を入れるべきことに十分に取り組めていない。だから無駄なものを見極めて大事なことに力を注いで成果を最大かしていこう』
という感じのことが書かれています。
そして最小の時間で成果を最大にするため=エッセンシャル思考を身に付けるために重要なこととして、三つのポイントが挙げられています。
それは
①選択
②ノイズ
③トレードオフ
です。
それでは今回は②のノイズを見ていきましょう。
②ノイズ
エッセンシャル思考において基礎となる「ノイズ」
このノイズとは、大多数のものは無価値であるという意味が込められています。ジョージ・オーウェルの有名な寓話小説「動物農場」にも、その重要性が書かれています。下記引用です。
ジョージ・オーウェルの寓話小説「動物農場」に、ボクサーという名の馬が登場する。まじめで屈強な馬だ。
動物たちが困難に出会うたび、「俺がもっと働こう」と言って仕事を引き受ける。
だが、過酷な状況の中で、ついにボクサーは働きすぎて倒れ、解体業者の元へ送られる。
皮肉なことに、みんなのために一生懸命働いたボクサーの努力は、むしろ独裁者による搾取を助長しただけだった。
私たちも、ボクサーと同じ思考に陥っていないだろうか。困難に出会った時、残業を増やして根性で乗り切ろうとしていないでしょうか?
すでに仕事を抱えているのに、トラブル対応までどんどん追加で引き受けていないでしょうか?
人は幼い頃から、努力の大切さを教えられて育つ。実際真面目にはたらけば成果は上がるし、困難にも対応できるようになるかもしれません。
しかし、そこには限界があるはずです。
すでに一生懸命働いているのに、これ以上労働時間を増やして本当に成果が上がるのでしょうか?やることを減らしたほうが生産性が上がるのではないでしょうか?
80:20の法則(パレートの法則)
皆さんは80:20の法則(パレートの法則)を知っていますか?
80:20の法則とは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した法則で、成果の80は20%の努力に起因する。逆に、80%の努力では、20%の成果にしか繋がらないという法則です。
この、「重要な少数」が「多数な瑣末」に勝るという考え方は、広く世の中全般に応用できます。もちろん私たちの仕事にも、です。
仕事においても20%の仕事が80%の成果を生み出し、80%の仕事は20%の成果しか生み出していません。
この法則からも分かる通り、降ってきた仕事をあれもこれもと引き受けて、なんでもかんでもがむしゃらに頑張っても逆に生産性が落ちてしまうのです。
一生懸命、良かれと思って仕事を引き受ければ引き受けるほど、あなたは価値を生み出せなくなってしまうのです。
リーダーシップ論の権威ジョン・C・マクスウェルもこう述べています。
「ほとんどあらゆるものは、徹底的に無価値である」
努力の量と成果が比例するという考え方を捨てた時、エッセンシャル思考の大切さが見えてくるのです。
問題をどう解決するか?よりも、どの問題をとくべきか?を考えることが必要
日本における学校教育の中で、私たちは問題を解くことの重要性を教えられてきました。正解主義に陥り、答えを求め、出された問題に対して満点を取ることを一番に考えてきました。
しかし、現代の社会人には、課題設定力が足りていないと言われています。
安宅和人著「イシューからはじめよ」においても、課題解決力よりも、課題設定力が大切だと書かれています。
解いてもそこそこの価値しか生まない問題を解決するのではなく、解けば大きな価値を生み出す問題を見つけ出し、解決すべき。すなわち、「いかに価値ある課題を設定することができるか」が最も重要だと述べられています。
テストで満点を取るよりも、自分の将来を考えた時、どのテストを受けるべきか?どのテストに力を入れるべきか?を見極める力が必要ということですね。
ちなみに「一つのことを速くやる」より「やることを削る」の重要性についても述べられています。圧倒的な生産性を手に入れるための方法が本書にはこれでもかというほどつまっています。ビジネスマン必読の一冊です。
本当に重要なことにイエスと言うために、その他すべてにノーと言おう
以上のように、本当に価値のある仕事は全体の20%程度しかありません。
非エッセンシャル思考の人は大多数の物事が重要だと考えます。
エッセンシャル思考の人は大多数の物事が不要だと考えます。
エッセンシャル思考の人は、たっぷりと時間をかけて選択肢を検討します。「瑣末な多数」、つまりノイズに手をつけて無駄な時間を使うことを避け、決定的に十四なことだけを選び取ります。
「全部やらなくては」、という思考から抜け出し、「より少なく、しかし、より良く」という考え方を身につけていきましょう。
それでは、今回はこの辺で。