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いちやなぎ
2022年10月23日 21:55
ドアが開く音がした。低いゲップのような鈍い音。目を其方に移すと上り框には顔とお尻がまっかっか、更に赤いちゃんちゃんこを羽織ったお猿が内股で腰掛けて此方をじいと見ている。「はいはい〜少々おまちを」鍋の火を止め、急いで枝豆をザルに上げる。湯気がもこっと豆の香りをひき連れて広がる。ベランダには枝豆の葉が積み上がっている。「早めにきてくだすったんですねありがとうございます。見ての通り部屋は
2022年10月4日 21:36
ごしごし。ごしごし。何故こうまでして体じゅうを洗わなくてはすまないのか。これまで何度石鹸をごしごしと体にぬりたくってそして洗い流したことか。月に一度や二度の話ではない。此れを怠ってしまうと人でなしの烙印を押されてしまう、、というのは思い過ごしかしら。僕にはそんな気がしてならぬ。獣臭さが出ないよう、動物になってしまわないように日々必死だ。食うこともできないものを体に塗りたくるなんて